(ONE PIECE ©尾田栄一郎/集英社)
こんにちは、サチヲです。

麦わらの(株)の一般社員であるウソップが、自己成長のサイクルを見事にまわしている素晴らしいエピソードが盛り込まれているのです。
その原動力でもある根本的な考え方がこちら。

  • 経験は思考から生まれ、思考は行動から生まれる

これは『逆境に勝る教育はない』という言葉でも有名なイギリスの政治家であり、小説家であり、地味に重要な“貴族”でもあるベンジャミン・ディズレーリさんの『ヴィヴィアン・グレイ』という小説からの…いやもう“彼の考え方”でいいと思います。
こちらを、もう少し詰めてひも解くと…

  • 経験は思考から生まれる、とは…
    ⇒過去の経験を振り返り、そこから学びを得ることで、思考が成長します。
  • 思考は行動から生まれる、とは…
    思考を具体的な行動に移すことで、経験が蓄積され、より深い思考を促します。

最近の私め…行動原理主義過ぎますかね(笑)
屁理屈になりますが、当たり前のことを大きな声で言いますね。この世の中で行動していない人なんていないのですッ!
ただ良し悪しがあるだけです。
どうやら“結果の出る行動をしなかった日”は「やりたかった事ができなかったなぁ…」という感じに『行動しなかった自分』とレッテルを貼る傾向があるようですが…実のところ『やりたいことをしない行動』をきっちり迷いなくしているのです。
”行動が出来事になり、出来事の積み重ねが方向性をつくっていくので…どうせなら良い出来事を積み重ねて自分が進みたい方向に歩いた方がいいよね、という事を一般社員・ウソップから学ぼう☆というお話です。

【麦わらの(株)】『ウソップの、自己成長のサイクル回しがエグイ』 | お忘れかと思いますが、実は元々優秀な人材なのです。

(ONE PIECE ©尾田栄一郎/集英社)

元々ウソップの思考は、故郷であるシロップ村で磨きに磨かれていました。
一緒に思い出しましょう。

・確固たる信念を持った毎朝のほら吹き。
・『ウソだった』を貫こうとしてクロネコ海賊団に対峙する精神力と人を巻き込む力、結果『なかったこと』に仕上げたやりきる力と人間力。
・何よりも麦わらの(株)に入社する前は『ウソップ海賊団(後にウソップ自警団となる)』を起業するという強い情熱と実行力、そして課題解決能力と柔軟性。

これらを入社前に既に持っていた…いや、今回のテーマに沿って言うならば“行動した経験により思考を研ぎ澄まし、その磨かれた思考から生み出された行動で自分自身を更に高めていく”ことをしているのです。
…ス、スゴくないですか!?
めちゃくちゃ優秀な一般社員だという事を、私たちは忘れてはならないのです。

だから、今回のエピソードなんてその延長でしかないので、実際は“安心安定のウソップ成長サイクル”を改めて見ているようなものです。
ただ、今回特筆すべき点はウソップの『高い思考力』に対して『したい行動』が伴っていないなのです。
ドルトンの心の叫びである「国の崩壊という悲劇の中に やっと得た好機じゃないか…!!!今這い上がらなければ 永遠にこの国は腐ってしまうぞ!!!」を受け取り、その思いを『達成させてやる』という行動に移しているコマなのだが…「ズブ……ズブ……」という効果音からも分かる通り、誰が見ても…当の本人であるドルトンでさえも「やはり無理か…」と言われる始末。

しかし、ウソップは「無理じゃねェっ!!!」と突っぱねる。
通常『無理』という言葉には“がんばれば可能性がある”と訳され、『無茶』の方が“常軌を逸脱し可能性はない”と訳されます。
しかし!ワンピースの世界では『無茶』をした人たちが前に進んでいる…ように思えるのです。『無理』くらいのがんばりでは足りないような描かれ方がされていると私が勝手に解釈しているのです。
勝手な妄想を続けますと、人の心を動かしたり助けたくなるような気持ちにさせるのは、人から『無茶』な行動と思われるくらいが良いのではないかと。
ウソップからしてみれば、無理程度のことじゃ足りない…ドルトンの思いを達成させたいと思うウソップの“大いなるわがまま”には無茶な行動くらいしないとダメなんだ!という事を勝手に読み取ってしまうんですよね。
だからこそ、続けて言った「連れて行く!!!」の言葉にグッとくるのです。

ウソップの『無茶』の熱にあてられたの私だけではなく…第一営業部部長・ゾロにも届くのです。

(ONE PIECE ©尾田栄一郎/集英社)

そうです。こうやって人の心は動き、紡がれてゆくのです。
なにも『経験は思考から生まれ、思考は行動から生まれる』をウソップだけが体現している訳ではなく、ゾロやナミやサンジ、もちろんルフィ社長も当たり前のように成長サイクルをまわし続けているのです。
これが、麦わらの(株)の『強さの源』でもあるのです。

ウソップが示してくれたことは更に!重要で、あと一歩で動けないでいる人に対して“行動しても失敗してもいいんだよ”というメッセージなのです。
“行動しても達成できなくてもいいんだよ”と背中をやさしく押してくれるのです。たとえ、失敗しても達成できなくても“その行動”がまた思考を高め、次に行動する時の“新たな手段”が生まれますから。ついでに、仲間がついてきてくれる場合もありますからね。
だから「失敗したらどうしよう」とか思わなくて良い!と、巷では言われるのです。

行動することによるいちばんの恩恵であり、唯一無二な情報が『〇か✖かが分かること』です。
もちろん自明とされることは“行動しなくても”分かります。
しかし、自分にとって挑戦的な出来事を実際に行動して得る経験は“かなりの情報量”を得ることができるのです。
挑戦し、行動したからこそ〇という結果が出た。だからこそ、次のステップへ進める。
挑戦し、行動したからこそ✖という結果が出た。だからこそ、目標設定を変えることができる。
行動していない人は妄想の範囲を超えることはない。
それを続けると現場から離れた、いわゆる『評論家』という『プレイヤー』ではなくただの実況者として自分の人生を自分で説明するだけの人生を歩むことになる。
ね。もう一度言います。「失敗したら恥ずかしい…」なんて考え方が如何にナンセンスなのかをウソップは身体を張って私たちに伝えているのです。

でも、悔しいのです。できない自分が悔しくて仕方ないのです。

この『悔しい経験』が、次の『思考』に反映させ、より良い『行動』に繋げているのが、一般社員ウソップなのです。


『悔しい経験』を『怒りのパワー』に変えて…と言った方が分かりやすいでしょうか。思考と行動をそれぞれモチベーションに変えて、最終的には“いわゆる『2年後』の姿”に成れたのです。
この幾度となく積み重ねた『悔しい経験』があったからこそ、成長に大切な『危機感』が生まれた。
その危機感があるから「面倒だから今日はやらないでおこう」のような思考にはならないで、目標に沿った優先順位をつけることができた。
そうやって『行動の精度』を上げていきながら『思考』という、信念にもあたる考え方を磨いていく事ができた。
磨かれた思考により行動できる範囲と選択肢が広がり『言葉と行為を一致させる』ことができて、結果『勇敢なる海の戦士』に、また一歩近づいたのではないでしょうか。

最後に

麦わらの(株)が、社長のワンマン経営で無いことが分かるエピソードでもありますよね。
社員育成でいちばん厄介な『主体性をもった行動』というマインドセットを、その言葉通りにウソップ自ら動いて…自分で燃料を作り自分で燃やして…突き進む。
理想的な『箱』である麦わらの(株)があるから、のびのび活き活きとした社員が生まれるのか。
卵と鶏の話ではないですが、それこそ私自身から“そう成れる”ような行動をとっていきたいと思います。

ではまた。