©二宮裕次 / 『BUNGO』集英社
こんにちは、サチヲです。激烈にネタバレ有りです。

基本的に“人からのおすすめ”が大好物な私め、実はこのマンガはYouTubeで見たあの!百獣の王・武井壮さんが薦めていたから見始めたのです。
今更ながら、パーソナルな情報を教えていただきありがとうございます。
まさに『言うは易く行うは難し』の代表格である「プロになる!」や「甲子園に行く!」という言葉を、素人の私には考えも及ばない『本当に目指している人の姿と成長』を現実的なのに分かりやすく描いているのです。しかも!二宮裕次先生が描く淡々としたトレーニングや地味な積み重ねすらもエンターテイメントに昇華する物語にどんどん引き込まれていくのです。

主人公のひとり、天才打者・野田 幸雄曰く…「甲子園に行ける確率は『0.005%』ほとんど奇跡ってことさ。俺はこの奇跡を………限りなく“必然”に近づける」と!
正真正銘『決めた人』の行動力・信じる力・自分を疑わない力、そして目的遂行のためにいちばん大切な揺るがない情熱がアツ過ぎるのです。

【BUNGO】『漢と漢が信じ結果を出すまで』 | いよいよスゴい事になってきました。『じゃどうするか』が3段階落ちで壮大過ぎたのです!!

©二宮裕次 / 『BUNGO』集英社

『限りなく“必然”に近づける』為に、野田 幸雄が出した答えが『同じチームに、日本一の打者と日本一の投手がいればいい!!』である。これを中学一年生の時に導き出し、自分が『日本一の打者』。そして、もう一人の主人公である底知れぬポテンシャルを秘めた石浜 文吾に『日本一の投手』。俺たち二人がいれば甲子園を必然に近づけると決めたのです。
では、なぜ野田 幸雄が石浜 文吾に“決めた”のか?の振り返りである。これがまた10巻に至るまでのエピソードを思い出させてくれて感情を掻き立ててくるのです。

最初が「1年前の夏…上本牧戦のお前の投球を見た時から ずっとだ…!!」言ったものの、野田 幸雄はピンときていない。
確かに『ストレートド真ん中で勝負し勝つ』は、石浜 文吾の可能性を説明するのに十分な気もするのに…

野田 幸雄は続けます。「…いや…違う もっと前か ここで…」と。そこで何があったのか

©二宮裕次 / 『BUNGO』集英社

そうです。まだ石浜が『甲子園』に対する認識…いや、『野球』に対する認識が甘くて弱い時に、その時すでに“ゴリゴリに決めている野田の覚悟”の熱にあてられた瞬間です!
この時のエピソードはもう…思い出しただけで“もらい泣き”してしまいます。
野田の問答無用な決意と、言葉でなく行動で“如何にお前は甘いか”を知らしめた『覚悟』を体感しただけで石浜は気がついたら涙が出ていた。
これは、言葉でなく心で理解した証ではないだろうか。
『甲子園』を目指す者の覚悟と、石浜の剛速球を文字通り体で受け止めながら“いいか…オレはグラウンドでなら死んでもいい”という『野球』に対する向き合い方を石浜にも求めた瞬間である。
この頃の石浜には、きつ過ぎる現実でしょうに。しかし、その現実を見せて魅せる野田のような仲間(決して友達ではない)が私の近くに居るでしょうか。
こんな仲間と目的を共にし人生を歩めるなんて、もうワクワクが止まらないですよね。

しかし!まだ遡る…「いや…もしかしたら……」

©二宮裕次 / 『BUNGO』集英社

3段階目でとうとう辿り着きました。
野田曰く…「お前の“左投げ”を見たその瞬間には 俺は心に決めてたのかもしれねえ」と。もうコレ、1巻か2巻くらいの話ですよね。
自分の言葉と行動に対して、あんなに理路整然とした裏付けと言語化を得意とした野田が、大切なパートナーである『日本一の投手』を決めたのは『石浜の投手としての華』に心を奪われた瞬間だったのです。
当時は“そこまで”劇的な出会い的な表現で描かれていなかったのに…ここで野田の感情論を持ってくるなんて、二宮裕次先生やってくれますね。
極めつけに、野田の締めの言葉が「お前こそが俺の相棒に相応しいと……!!」ですよ。
もちろんココに至るまで、「相応しい」と言ったからには野田自身も石浜に応える動きをするエピソードも挟まっているので、結果、お互いに切磋琢磨しているめちゃくちゃアツい展開なのです。

私自身も『野球』を甘く見ていました。

高校野球がどうこうする漫画はたくさんあるが、石浜と一緒で私も全く知りませんでした。これは読者と共に『野球の世界』を教育しながら…という効果もあると思いますが、いちばん驚いたのが“実は甲子園に行くという作業は限りなく遥か昔から準備してきたものだけがたどり着ける場所なんだ”ということ。
そこには意識改革と実力不足の穴埋め、そしていちばん大事な心を決める、覚悟する、現実を知る。いや知るだけではダメだ…ちゃんと体感する。
自分が1番になるという事は、誰よりも多くの人を蹴落とすことなんだ。逆に、自分が蹴落とされる訳にはいかない。
石浜がそこまで意識改革が出来たのは野田の存在はデカすぎる。1ミリの不安や不安や疑問をが入る余地は無い。やはり野田は『導く者』である。もしくは師匠、メンターといったところだろう。それが同級生で、しかも自分と同じ道を共に行く。
やはり!これは友達ではない、仲間だ!!同じ目標、同じ道を歩む仲間だからこそ、結果、切磋琢磨し刺激し合い、そして確率0.005%の甲子園の確率を必然に限りなく近づけていく。

最後に

準備万端過ぎる石浜の『世界』を一緒に見ましょう。

あぁ…この後の“圧倒的な投球”が早く読みたい。
今後が楽しみすぎます。

ではまた。