『アニメイトタイムズ』より抜粋。(相変わらずアニメイトタイムズの記事は最高ですからお時間のある時にどうぞ。多分『きっとチェリー』の曲の写真)
こんにちは、サチヲです。
この曲は、私のブログではもうお馴染みの声優である、東山奈央(以下なおぼう)さんが作曲と編曲。そして安野希世乃(きよのん)さんが作詞した曲になっています。
ぽかぽかイオン(以下ぽかイオ)にとって初めての共作だからこそ、それぞれの個性が楽曲に色濃く反映されていて、2人の絆の強さ、深さを共に高め合うよな一曲になっています。
そもそもぽかイオは『人々の心を癒し、明日への活力《ビタミン》を届ける』をコンセプトで、『聴くだけで心ぽかぽか、マイナスイオンが降り注ぐ快適POPS』を目指している…とあるが、特にこの曲(他の曲もそうなのだが…)に関して言えば日本の音楽シーンを支えた極上の『J-POP』に仕上がっているのです。
たとえば…これから“日本で売れそうな曲を作りたい”と思っている人は、かなり勉強になる曲であることは間違いありません。
そんな『売れる技術が満載』な曲の中でも、比較的分かりやすいであろう『ブレイク』について語らせてください。
というのも、もはや『ブレイクの教科書』と言わんばかりに多種多様に使われているのです!!
ブレイクとは…別名『キメ』やら『おかず』やら“人によって”言い方は色々とありますが、曲の途中で楽器の演奏やボーカルを一時的に止めたり、音数を減らしたり、楽曲に抑揚をつけ、聴き手に強い印象を残す技術
もくじ
【この曲を聴け!】『Symmetry Wings』 | ぽかぽかイオンの名を冠した声優2人のユニットがゴリゴリの…J-POPに仕上がっているのです。
- 0:13 2人の美しい歌声終わりにドラムで強く2回リズムを叩く
⇒これはグルーヴのリセット効果で、静かなリズムからイントロの切り替えが、よりドラマチックになる。これからいくぞー!って気持ちにさせる。 - 0:23 イントロ終わりにドラムのタム回しで軽く2回叩く
⇒盛り上げたイントロからAメロで落とすため、弱めのブレイクで切りかえ効果となる。さっきと同じく“2回叩く”ことによって違和感なく曲が繋がる。 - 0:32 先ほどと同じ2回叩くブレイクを、今度はキーボードだけにやらせている。
⇒Aメロ内で、なおぼうからきよのんに優しくバトンタッチをする効果。
⇒大げさにするだけがブレイクではないという素晴らしいお手本。この控えめなブレイクによって、全体の統一感と共に『2人いつも一緒だよ感』の演出までも担っている。 - 0:54 Bメロ内でのリズムチェンジの為のブレイク。
⇒楽器隊が『ダッタン、ダタン』と2回目でリズムを詰めることに、これから走り出す、駆け上がる印象を与える。
⇒ここのボーカルの“はめ方”もブレイクの良さの一因となっている。「出会えたこのキセキ ふたり育てよう」という歌詞からブレイク時に技ありのタイミングで入る「今」の歌詞をはめ込むことで『改めてここから2人で感』が出る。サビの前に見事な『盛り上がる為の階段』をココで作っているのです。 - 1:05 J-POPでは欠かせないサビ前の『これが伝家の宝刀』呼べるブレイク。
⇒楽器隊の『タン タタタタタタンッ』と、歌で「あーーーーいにいこうッ」を重ねた後に、消音。聞き手に「これから一緒にサビで盛り上がりますよ~」とハッキリと言葉で分かるくらい『コレを聴いているお友達もみんなで一緒に行こう感』の演出。 - 1:47 疾走感抜群のサビからイントロで落ち着かせた後、2番のAメロで『音を伸ばしたまま何もしない』というブレイク。
⇒音を止めたり強いリズムだけがブレイクではないという職人芸。
⇒これこそが『グルーヴの再構築』と言って良いでしょう。だからこそ曲がぶつ切りになることなく、スムーズにAメロに繋がる。聴いている方も疲れない。 - 1:59 2番のAメロ終わりは、1回だけ軽く叩いたドラムと、リズムを無くすブレイク。
⇒楽器隊は、2番のBメロとは明らかにリズムを変えるためのキッカケのブレイク。ただし2人は歩き続けている為、オーケストラ系の楽器隊はブレイクを無視する物語性を重視したブレイク。
⇒歌詞も「いつの日か辿り着きたいよ 君と地図にもない場所まで」とあるように、1番の歌詞とは違う“どんな道でも2人なら行ける感”を引き立てる歌詞とリズムに繋がる繊細なブレイク。 - 2:33 『2連3拍』のリズムで楽曲の“構成の切り替わり”を明確にするブレイク。
⇒このブレイクのリズムで音をクリシェで下げることにより、テンションはそのままで気持ちだけ落ち着かせる効果がある。
⇒事実。このブレイクの後にストリングスが白玉で弾かれる音は、サビで2人が高みに飛び立った先で『目の前にもっと広がった世界にきた感』の演出にも繋がる為の必要で大事なブレイクの一つ。
⇒実は…歌が終わって突然の『2連3拍』のブレイクが入ったと思いきや、リズム隊は2:31にて“助走”とも呼べる半拍食ったリズム『ンッタァン タァン タァン タァン』と入ってから『タァ タァ タァ』と2連3拍に繋がっているのです。最初の4つのブレイクはまるでリズム隊が「いっせぇのぉせっ」で、シンメトリーウイングスでより遠くへ羽ばたくかの如く…に聴こえませんか!?ね!! - 3:04 同じ『2連3拍』でも強く切りながら、音は上に上がることにより『まだなんか起こるの?』という期待感を膨らますブレイク。
⇒コレをBメロでやっているのが怖い。本当に聞く人を飽きさせない…もしくは「最後まで聴けよ」という楽曲の気概を感じるのは私だけでしょうか。
⇒メロディをはめるのもうまいが、歌詞をちょこちょこはめてくるうまさですよ。これがきよのんの『どんなことがあっても』という想いがつまった「わ・た・し」というのがグッとくるんですよね。 - 3:39 きよのんの渾身の叫びを際立たせるための、きよのん以外全てを一瞬無音にするブレイク。
⇒この一瞬の無音があるか無いかで楽曲の印象がめちゃくちゃ変わる、お手本のようなブレイク。
⇒特定な音を引き立てる(今回はきよのんの声)効果と、聞き手の注意を十分に集めることに成功している。 - 3:40 “落ち”からサビに繋げる『J-POPあるあるブレイク』なのに、後半の3:42からリズムの“ノリ”をずらした鬼ムズブレイクをぶっこむ。
⇒これはもうスタジオミュージシャンの意地と個性が垣間見えます。
⇒このノリで一人で弾くのも難しいですが、バンド全体でカッチリ合わせるのは至難の業…のはずです!! - 4:13 前半で使いまくった2発のブレイクを、曲の終わりに連続して使うことにより全てのブレイクを供養するブレイク。
⇒もうこれでお終いだからね!こんなにたくさんサービス(ブレイク)するのは滅多に無いんだからね!という『これで最後感』をちゃんと演出。
⇒メタルの世界では楽曲全体が“重くなりがち”なこのブレイクも、ぽかイオの声にかかればこんなにも清々しい癒しの風を感じるブレイクになる稀有な事例。
気軽に書いたら…こんなあくの強いブログになってしまいました。
いつもの事ですが、これは私の妄想です。
私は当事者ではないことはもちろん、なけなしの音楽知識をひけらかす、ただのオタクの妄想戯言と受けとって…酒でも飲みながら読んでもらえるとうれしいです。
あと、もう一ついいですか。この楽曲の編曲が椿山日南子さんというのがポイントです。
「「僕の宝物」を作ってくださった椿山日南子さんです!」となおぼうのブログに書いてありましたが、なかなかどうしてソロ活動のなおぼうの曲で使われている技術がふんだんに使われているのですよねぇ。
だからこそ安心感と安定感あるのでしょう。
最後に、『公式ぽかイオYouTubeチャンネル』にて『「Symmetry Wings」ができるまで』というファンサービス満点の動画も一緒に見ましょう。
よろしいでしょうか…冒頭の40秒でぽかぽかイオンのバックバンドである『ミネラルズ』の楽器隊のうまさが溢れに溢れこぼれているんです!
特にベースのうねうね感と言いますか、ぐりぐりとリズムをぶん回しながらもキメるところはカッチリ合わす職人技が光り輝いていましたよね!!
よくぞ、こんなにも我を出しているようで出していなく、しっかりぽかぽかイオンを立てる『音』を奏でていただきました。
最後に
いやー、2人の美しさと可愛らしさはもちろんですが…改めてベースとドラムがめちゃくちゃゴリゴリにうまい人でしたね。やっぱりプロはスゴイッ!!
ていうかJ-POPって本当に難しい事やっているんですよ!多分、他の切り口でも同様に“語れる”人が大勢いると思います。
ちなみに、こちらがApple Musicの『Symmetry Wings』です。
こんなにも楽しませてくれて本当にありがとうございました!
またライブにいくぞーーーー!!
ではまた。
