(ハンターハンター ©冨樫義博/集英社)
こんにちは、サチヲです。
暗黒大陸編にて冨樫が“滅多に描かない過去編”である 『幻影旅団の興り』を描いていただいたおかげで、各団員の幼少時代を私たちは知ることができましたよね。
非常に特殊な因習に囚われた 『流星街』という環境の中で、純粋無垢サラサラヘアー・クロロは明るく前向きに強く生きていく姿にめちゃくちゃ癒されました。
特に 『清掃戦隊カタヅケンジャー』では、カリスマ性の片鱗である“リーダーシップ”を発揮して明るい将来すら見えていたのに… “とある現実”に直面したことにより、物語は急展開を迎えました。
クロロの健気で眩しく光り輝いた瞳から、ずっしりと重たく深い闇に囚われた瞳の変化を見た時、 「そりゃそうなるよ……」という同情にも似た感情以上に、協力や応援…いや、一緒に復讐をしたくなるほどの物語に 「冨樫よ、これ以上えぐいのはやめてくれ…」と思いながら読んだものです。
さて!今回は、そんな 『クロロ=ルシルフル』と 『冨樫義博』に対して、 私かの“言いがかり”とも言える少しあり得ないツッコミをさせていただきます。
あ。もちろん“いつものように”私の妄想にお付き合いしていただくことになります。
だがしかし! もしも、この問い(妄想)が正解ならば…冨樫は今以上の『天才』の名を持つと同時に恐怖すら感じることになるでしょう。
問 【この時既に…素のクロロと、幻影旅団としてのクロロを描き分けているのではないだろうか】
私め、週刊少年ジャンプ 2000年 52号に『No.102「9月4日①」』が掲載されていた時のクロロは、読者はもちろん冨樫も“幼少時代のクロロをまだ描いていない”ので、当時は“全て一緒くたにされたクロロ”だと思って読んでいました。
少し丁寧にあなたに伝えたいので、先ずはこのコマから見てください。
もくじ
【ハンターハンター】『クロロと団長』 | 今思い返せば、この表情は“あの頃のクロロ”に戻っていたのでは…あなたはどう思いますか?

気がついたらニコイチの関係になっていたウボォーギンの仇をとりたいノブナガは、団長が 「今夜ここを立つ」という判断に対して静かに「……まだだろ」と物言いをする。
そしてノブナガは、続けざまに強くクロロに意思を伝える。
ノブナガ 「鎖野郎を探し出す」
と、こだわるノブナガ。
横顔になりますが、この時のクロロの表情と瞳を覚えておいてください。
続けてノブナガは団長に問いかけます。
ノブナガ 「本当にそりゃ 団長としての命令か? クロロよ」 と言われた後の表情がこちら・・ッ!!

文字通り、団長としての考えに納得がいかないので、もっと芯に響く言い方に変えるため“あえて 「クロロよ」と名前で呼ぶくらい”だと思って当時は読みました。
確かにクロロの表情を見ると、瞳が見開いた感じで…「こう言われたら、さすがに団長もちょっと心に響いたのかな」と思いませんか。
しかも冨樫は!
団長とノブナガの間に、フランクリンの怒ってる顔を挟んでいるんですよ。
このおかげで、団長命令に背くノブナガに対してフランクリンがキレている…という構図にしているので、団長がノブナガの問いに多少ドキッとした感じくらいにしか思えませんでした。
ではここで!2022年52号 No.396 結成②での純粋無垢サラサラヘアー・クロロをご覧ください。

いかがですか?
気がつけば3年くらい前の掲載時期になりますが…コレであなたも少し思い出しましたよね。
まだ穢れていない、好きなコト、やりたいコトに全力に取り組む姿と瞳でしたよね。
この頃のクロロの表情を思い出してから、先ほどの団長の表情をもう一度見てください。

あ、あれ…団長さん。素のクロロに戻っていませんか?
なんでしたら、幼少の頃のクロロを彷彿とさせる表情と瞳に見えませんか!?口元なんて、少し“つぐんだ感じ”が幼ささえ感じませんか?
普段、メンバーからは「団長!」と呼ばれているのに、「クロロよ」という幼少の頃に呼んでいた名前で呼ばれたことにより…団長を演じることができなくなった…とも見えないでしょうか!?
この後には、また幻影旅団の“団長に戻っている”ように見えませんか??

団長 「ノブナガ オレの質問に答えろ」
の問いには、明らかに冷酷無比なあの!団長の表情と瞳に戻っていますよね?明らかに違いますよね??
この時代の団長は“どんなトラブル”も冷静沈着に対応していることも合わせて、喜怒哀楽が分かりにくい印象受けていたのであまり“違和感”を感じなかったのですが…『幻影旅団の興り』という過去編を知った後に見ると、明らかに“団長という役”を入れ直したように見えるのです!!
さて、あなたはどう感じましたか。
当時はもちろん、この『描き分け』に気がつきませんでしたが…現在は 『冨樫の健康祈願』とハンタの 『連載再開祈願』として第一話から“じっくり読み返している”時なので、妄想がついつい大爆発してしまいました。
最後に
改めて、冨樫の小さな機微を瞳(眼)や口元で表現豊かに描く技術に驚かされるばかりです。
あー…幽遊白書の完全版を全巻買おーかなー。
ではまた。
