【子ども発達障がい支援アドバイザー】『サポート理論No.5』 | 「うちの子だけ?」を特性と受け止める最初の階段が“知る
こんにちは、サチヲです。
以前に『発達障がい』について学んだことを全てアウトプットするつもりでしたが、最後の部分を残して早2年…。
学んだことを見返すために、備忘録として残すために、何かあった時に、改めて残りの部分を読み返したいと思います。
小さいことかもしれないが、私は『“子ども発達障がい”の“がい”は漢字で“害”とは書かない』という考え方が好きです。
慣用表現では『障害』と書きますが、この支援アドバイザーの考え方では子どもは『障害』ではなく『特性』の一つと捉えているので柔らかく表現している。いわゆる障害は病気ではないので『治す』ではなく『どう合わせてどうサポートして一緒にいるか』という事を学びました。
今回は繊細な受け応えが必要な『性』についてもあります。
合わせて『知る』ことを経て不安をなくして、誰一人同じ子どもはいない唯一無二の我が子と向き合う心とサポートする術を学びます。
スポンサードサーチ
☆★☆
もくじ [表示]
【子ども発達障がい支援アドバイザー】『サポート理論No.5』 | 「うちの子だけ?」を特性と受け止める最初の階段が“知る”こと。

コミュニケーション、対人関係での問題行動
コミュニケーション、対人関係に課題を抱えることは少なくありません。
問題行動の現れ方
- 思ったことを口に出し、相手を傷つけてしまう
- まわりの人(友達、きょうだい、家族)にすぐ手が出てしまう
- 「バカ」「クソ」などの不適切な言葉を連呼する
- 人との距離感が近すぎる、スキンシップが過敏である
- 自分の思っていることや言いたいことが言えない
- 人との距離感が遠すぎる、友達と適切に関われない
必要な場面で適切な言葉を使うことの出来ない子どもは、言葉の意味を理解せずに発言している場合があります。
言葉の意味を理解しているかどうかを確認しましょう。
手が出やすい子どもは、自分の気持ちを言葉で伝えることが難しいタイプです。伝わりやすい、シンプルな言葉で教えるようにしましょう。親やまわりの大人が丁寧に繰り返して教えても、子どもの言動はなかなか改善しないことがあります。
この場合は、子どもの意思を観察し、特性に合った対処をしなければなりません。問題行動の原因
- 場面に合った、人との距離感が分からない
- 場面に合った、適切な言葉が分からない
- 理解している感情の数が少ない、感情をコントロールする力が足りない
- 共感されたことがない、または少ない
- 成功体験よりも失敗体験を多く繰り返している
- 場面の理解ができない
想像力が乏しく、人の気持ちを感じる力や空気を読む力が弱いという特性があります。
他人に「わざと意地悪をしている」という印象を与えてしまったり、まわりの友達から受ける過度な反応や注目が適切でない言動を強めてしまったりする場合があります。問題行動を解決させる事前対処
場面に合った適切なコミュニケーションを教える
当たり前と思われることが理解できていないことがあります。
友達と遊びたい時には「一緒に遊ぼう」と声をかけることが一般的です。
しかし、このような声かけの意味を理解していないために「友達を叩いて興味を引く」「わざと嫌がることをする」などの行動を取ることがあります。これらは叱ったり起こったりする対処が多くなりますが、困った行動はなかなか改善しないでしょう。
なぜなら、子どもには「適切なコミュニケーション」という考えや選択肢がないからです。
子どもには、友達と仲良く遊べる方法を具体的でシンプルな言葉で教えるようにしましょう。
※サポートのポイント※
1,子どもは適切なコミュニケーションを他社に表出(心の中の動きを表に出すこと)できているか
2,場面に合った適切な言葉や行動を理解できているかトラブルを起こした時も共感する
距離感がうまくつかめない子どもは、友達とトラブルになりやすい傾向にあり、先生や友達から注意を受けることが多くなります。
先ずは子どもに共感することで感情の理解や感情をコントロールする力を伸ばしていくとよいでしょう。股、問題行動を起こした子どもに共感すると、根本的な原因に目を向けることも出来ます。子どもがそのような行動をせざるを得なかった理由を観察しましょう。
※トラブルを起こした時のポイント※
1,親や支援者は、問題行動を起こした子どもに対して共感出来ているか
2,トラブルの根本的な原因を観察し、把握できているか反省させる、誤らせる、という対応をしがちです。しかし、思ったことを直ぐに口に出してしまう子どもにも、そうせざるを得ない理由が隠れている場合があります。衝動性の他、感覚過敏が原因になっている場合もあります。
表面的な言葉だけで対処を判断せず、根本的な原因も想定してみましょう目に見えないものの理解を客観的に促す
「人の気持ち」や「適度な距離感」は相手との関係性やそれぞれの場面で変化します。
このような目に見えないものの理解は想像力を働かせる必要があり、発達障がいやグレーゾーンの子どもには大変難しい課題になることが多い。理解を促す場合は、子どもの好きなテレビや本などを活用して、客観的に学びを深めていくことが必要です。
たとえば、本を見ながら「お友達と遊ぶときは、こんなふうに声をかけると一緒に遊べるね」など、場面を限定して適切なコミュニケーションの取り方や距離感を教えていくのです。
視覚優位(目で見る情報の方が処理、理解、記憶をしやすい特性)の特性を、コミュニケーションをとる際の学びに活かしましょう。
※目に見えないものの理解を促すポイント※
1,人の気持ちや適度な距離感など、目に見えないものの理解はどの程度できているのか?
2,視覚優位の特性を活用して、本やテレビなどを使った客観的な学びを促せるか?問題行動を解決させる事後対処
コミュニケーションや距離感に課題のある子どもに対してできる事後対処は特にありません。
まわりの反応が強化となっていることがある為、親や支援者はまず無反応を実施し、子どもが落ち着いている時に「適切な行動とはどのようなものか」をシンプルに伝えていきましょう。まわりの環境
問題行動の原因と現れ方
人や場所などまわりの環境に左右されることがあります。
- わざと危険な行動をしようとする
- 教室から脱走する。教室内を走り回る
- 授業や行事、給食などに集中できない
- 片付けができない
- 初めての場所を嫌がる、入れない
問題行動の原因
- 危険な行動をすることで注目を得ようとしている
- 感覚過敏があり、その場にいることが耐えられない
- 目の前の課題よりも、まわりの刺激が気になってしまう
- どこに集中(注目)してよいか分からない
- 見通しがなく、不安が大きい
問題行動を解決する事前対処
- 問題行動に繋がる環境を排除する
⇒環境には変えられるモノ(動かせるもの)と変えられないもの(動かせないもの)があります。子どもの問題行動を観察し、環境から影響を受けているのがあれば、可能な範囲で変えたり排除したりするとよいでしょう。
・親、支援者は子どもの特性と環境との関係を観察し、把握できているか?
・子どもの問題行動に対して、環境を整備出来ているか?- 子どもにとって理解できる見通しを提示する
⇒初めての場所や、イレギュラーな事やイベントになると不安やパニックになる子どもにとって、『見通しがない』ことも不安な環境の一つになります。
事前に「これからどのような状況になるのか」を、子どもが理解できるように提示しましょう。
ルーティン化すると問題がないパターンも多い(見通しがあるから安心する)
・子どもは状況を理解しているか
・子どもにとって、十分な見通しになっているか- まわりの人との関りを見直す
⇒環境を変えても子どもの行動が改善しない場合、子どもへのまわりの人からの声かけや視線に刺激がないかどうかを確認してみましょう。
「ダメでしょう」という否定的な声かけ。「早くしなさい」のような抽象的な言葉での注意。きつく睨むなどの視線の問題がないか振り返ってみましょう。
・子どもへの声かけが適切なモノになっているか
・必要な場合は、視覚支援(イラストを描いたり)も活用しているか問題行動を解決する事前対処は、ありません。
性に関すること
問題行動の現れ方
ストレスを感じた場合、人前で自慰行為をする場合などがあります。それは、感覚過敏など特性が影響していることが多く、男女ともに現れる問題行動です。
- 性器を人前で頻繁に触る
- 性器をわざと見せる(出す)
- 教室やみんなのいる場所で自慰行為をする
性に関わる問題行動は「自宅にいて本人が安心している時に出やすい子ども」と「幼稚園や学校などの刺激の多い集団生活の中で出やすい子ども」がいます。
問題行動の原因
子どもが感じる「不安などの気持ちが原因」の場合と「まわりの反応(緊張感や注目)が影響」している場合があります。
- 子ども自身が不快な刺激から意識をそらせようとしている
- 子どもがヘルプサインを出さない(言葉で伝えることが出来ない)
- まわりの反応や注目が問題行動を起こす強化になっている
- 皮膚の炎症などがある
性の問題行動が起きた時、親や支援者が驚きや焦りが先行します。その結果、落ち着いて対応することが出来ず、「やめなさい」「手をあらってきなさい」など否定的や禁止の声かけ対応が多くなってしまうかもしれません。
問題行動に対して、根本的な原因に目を向けずに禁止することや過剰に反応することは、子どもの問題行動を強化することになってしまいます。
⇒子どもと一緒に性教育を学ぶ機会が必要です。問題行動を解決する事前対処
- 問題行動の原因の観察
⇒性器を触ることも自慰行為をすることも悪いことではない場合がありますし、成長の過程で必要な場合があります。
しかし、まわりにたくさんの人がいる状況で問題行動が出るなら、周囲から子供が誤解される原因になるかもしれません。
行動を改善していく必要があるでしょう。
不快な刺激や過大なストレスを強く受けている場合も、それらを上回る強い刺激を求めようとして自慰行為に繋がることがあります。
・親、支援者は子どもの問題行動の原因を観察し、把握できているか?
・子どもの負担やストレスになっている刺激はないか?- 身体の名称や洗い方を教える
⇒日本では、梅雨や湿気の多い季節にあhだが荒れたりかぶれたりすることが原因で、性器を触る頻度が上がる場合があります。また性器をきれいに洗えていないことが原因で、皮膚の炎症を起こす場合があります。
これら体に起きた異変や違和感を言葉で表すことが苦手です。
大人は知っていて当たり前として対応すると、子どもを見守る大人に原因がある課題です。
身体の名称や洗い方も教えてもらえなければ、子どもは知る機会がない可能性があるのです。
早いうちから性教育の一つとして丁寧に教えていきましょう。
・子どもの皮膚に荒れや炎症はないか?
・子どもは、体の名称や体の洗い方を理解しているか?- 環境を整える
⇒自慰行為などを頭から否定するのではなく、触っても良い場所や自慰行為をしても良い場所を決めましょう。
基本的な指導は「自分の部屋か布団の上」「ひとりの時」などです。
『あっ!そうなんだ!性と生ー幼児・小学生そしておとなへ エイデル研究所』の本がおすすめ
子どもと同性の親などが、正しい自慰行為の仕方や後片づけなどを教えていきましょう。
・性器を触る場所や自慰行為をする場所を決めているか
・自慰行為の仕方や後片づけの方法を教えているか問題行動の解決する事後対処と注意事項
- 事後対処
子どもの気持ちをそらす方法を試してみましょう。
たとえば、体への刺激が強いくすぐりで気をそらせるなどです。その場を乗り切れるかもしれません。- 大人の対応として気をつけたい事
大人からの否定的な禁止、注意ばかりが繰り返されると、「性器を触ってはいけない」「性器はきたない」と理解します。やがて、自分の身体や心の成長に対して否定的にあkん時足り、好きな人ができてもうまく関われなかったりする原因に夏ことがあります。
「月経」や「射精」だけではありません。子どもの成長に伴って自分の身体を理解し、大切に出来るように導くことが重要です。
性に関する知識は、その後の人間関係にも大きくかかわってくることもあります。支援のポイント
育児書に書いてある内容に当てはまらない場合や、何度も聞かせてもコミュニケーションが取れない場合があります。
しかし、子どもは成長しない訳ではありません。
それぞれ子どもの特性に合った関りを数週間あるいは数か月していくことで、それまでと違う成長した姿になることがあります。
二次障がいになる支援は効果がない為、やめましょう。
- そのつど叱る
⇒発達障がいに見られる特性は、子どもの努力不足や甘えではなく、脳の機能障害であることを思い出してください。
そして、氷山モデルから、問題行動には原因があるという事を理解しましょう。
「そのつど叱る」という支援は効果がない
子どもを叱る前に、声かけや視覚的指示、見通しや環境などの『事前対処』を見直すことを心がけしましょう。- 守れない約束をする
⇒「約束」は目に見えない為、発達障がいやグレーゾーンの子どもには理解が難しい場合があります。
親や支援者が守れない約束をしたうえ、怒ったり反省させたりするのを繰り返していると、子どもには失敗体験だけが積み重なってしまいます。
そして子供の中では「約束は破るもの」という認識が定着してしまいます。
また、記憶力が弱い子どもは、「たくさんのことを覚える」「長い時間覚える」「約束などの概念的な事を覚える」などが難しい場合があります。
子どもの成長を考えるのであれば、守れない約束を繰り返すのではなく、「どうしたら約束を守ることができるのか」を教えていきましょう。- 必要以上に本人に頑張らせる
⇒まわりと比べて出来ないことが多く、初めてのことにはチャレンジすることですらできない場合があります。
そんな子どもを見ていると「甘えているのではないか」「もう少し努力すればできるのではないか」と考えてしまう場合があるでしょう。
しかし、必要以上に本人に頑張らせるという対応は効果が少ないことがほとんどです。
もちろん「がんばりたい」と考えている子どももいますし、頑張らせることが悪いことではありません。しかし、その前に「子どもに頑張れる土台があるか」を確認しましょう。
「対応できる発達の度合いは十分にあるか」「子どもにキャパシティはあるか」「対応しなければならない課題はひとつで、スモールステップになっているか」など、子どもの特性や普段の子どもの頑張りのほか、子どもとの信頼関係の観点からも振り返ってみましょう。- 子どものペースに乗せられる
⇒癇癪を起こすことが多く、そのパワーも凄まじいため、親や支援者が振り回されてしまうケースもあります。
癇癪を改善しようと事後対処の「無反応」を試してみても結局最後には怒ってしまったり、子どもの要求を受け入れてしまったりすることもあるかもしれません。
主導権は親や支援者が握り、必要なときにには毅然とした態度を貫きましょう。「怒る」「注意する」という行為ではなく、しっかりと無反応をすることで、子どもは自分の感情をコントロールできるようになってきます。
この繰り返しで、子どもとの間に信頼関係を築け、子どもに安心感や人を信頼する気持ちが育ちます。- 特性や感覚過敏に慣れさせようとする
⇒特性や感覚過敏・鈍麻はまわりの人には分かりにくく、治らないと言われています。
また、本にの努力で慣れることはありません。
- 音(耳)…聴覚…遠くの音も近くの音も同じ音量に聞こえる。大きい声で話す。声に反応しないことがある。
- 素材、痛み(肌)…触覚…洋服のこだわり。痛みに鈍感。シャワーが苦手。偏食。
- におい(鼻)…嗅覚…偏食。体調不良。
- 光、色、空間(目)…視覚…圧迫感(視線)を感じる。まぶしさに敏感。
- 温度や湿度(体感)…体感…体温調整が困難。疲労。
- 食べ物(舌)…味覚…偏食。辛い物や刺激物も平気。
子どもの特性を全て理解することはできませんが、共感することや頑張りを認めてあげることで安心感を与え、頑張る力を引き出すようにしましょう。
効果的な支援
子どもが大人になったときに「私は私のままで大丈夫」と自己肯定が出来るような支援はどのようなものか、親が子供の成長を信じて見守れるようになる支援やサポート。
ヘルプサイン出せるようにす⇒支援要求。要するに「ヘルプサインを出せる」という事があります。子どもが生きていくために必要なスキルでもあります。「助けて。教えて。手伝って。」などの言葉が出せる(言える)という事です。自分が困っているとき適切に助けを求められれば、パニックなどの問題行動になる前にまわりのサポートを得ることが出来ます。生きていくうえでも大切なことです。ヘルプサインを出す相手との信頼関係や、子ども自身が困っているという状態の理解が必要です。その為、サインを教えてもすぐに出せるわけではありません。子どもの頃に場面に応じた適切な言葉や手段を教え、成功体験を積み重ねることによって、徐々にヘルプサインを出せるようになります。
最後に
基本的に一つのカテゴリーで括られることはありません。色々な項目が重なり合って形成されているからこそ唯一無二性があると思います。
無理やり当てはめることも無意味だということ。知ることで適切な向き合い方の選択肢が増えること。叱ることや怒りたくなる行動にならないように、こちらが道を作ること。
本当に大変ですよ。大変という言葉では言い表せないくらいの負担と労力を強いられるでしょう。声を荒げてモノに当たったり精神的に不安定にもなるでしょう。しかし、あえて綺麗ごとで締めると…その全てを愛おしく感じることができるようになるキッカケになる。そう信じて現実と向き合いたいと思います。
ではまた。