戦争のプロパガンダ10の法則 | 別名じょうずな戦争のはじめ方マニュアル本【イケてる本】
こんばんは、サチヲです。
別名じょうずな戦争のはじめ方マニュアル本とは??
- 歴史の裏側が知りたい人
- 戦争のはじめかたマニュアルを知りたい人
- 戦争の歴史が国によって違う理由を知りたい人
- 歴史リテラシーを高めたい人
このような人におすすめの本が『戦争のプロパガンダ10の法則』アンヌ・モレリ著です。
もくじ
1929年ロンドンで出版された衝撃的な著書『戦時の嘘』からはじまった
第一次世界大戦中のプロパガンダに関する刺激的な考察をした『アーサー・ポンソンビー』という実に数奇な人生を歩んだ人物が書いた本です。
ポンソンビーは、戦争プロパガンダの基本的なメカニズムについて論じ、戦争プロパガンダは十項目の『法則』に集約できると書いてあります。
この十項目を一章ずつたどっていこうというのが本書を書いたアンヌ・モレリです。
注意点
本書の著者でるアンヌ・モレリ曰く。
個々の発言意図を探るつもりはない。誰が真実を語り、誰が嘘をついているか、誰が善人で、誰が悪人かを突きとめようというわけでもない。ただあらゆる戦争に共通するプロパガンダの法則を解明し、示すことが本書の目的とある。
このように損得や思想など無く、まじりけのない『法則』がここにある。もちろんこの『法則』を使っている国は損得や思想がめちゃくちゃありますけどね。それらの思いや考えを覆い隠すかのようにプロパガンダを利用しています。
法則と国の事情は、別々で考えるべきなのです。
プロパガンダの10の法則とは
- われわれは戦争をしたくはない
- しかし敵国が一方的に戦争を望んだ
- 敵の指導者(リーダー)は悪魔のような人間だ
- われわれは領土や覇権のためでなく、偉大な使命のために戦う
- われわれも意図せざる犠牲を出すことがある。だが敵はわざと残虐行為におよんでいる
- 敵は卑劣な兵器や戦略を用いている
- われわれの受けた被害は小さく、敵に与えた被害は甚大
- 芸術家や知識人も正義の戦いを支持している
- われわれの大義は神聖なものである
- この正義に疑問を投げかける者は裏切者である
以上です。これらを一次資料を元にひとつずつ丁寧に、数多くのエピソードを交えて紐解いていく内容です。
いかがですか?現在でも聞いたことのある言葉がたくさんありますよね。なんでしたら政治の世界でもこのプロパガンダは使われているのが分かります。
ではこのプロパガンダを国民に伝えるスピーカーの役目は誰でしょうか?
首相や大統領と呼ばれるその国のトップの人はもちろんですが、ただ彼らも四六時中唱えているわけにもいきません。そこでマスメディア(新聞・テレビ・ラジオ等)が活躍するんですよね。
我が国も、戦前や戦時中は現在と真逆である軍国主義を国全体で盛り上げていましたよね。当時はその放送を国民は信じて戦っていましたから。
現在はネットが浸透しているので、いわゆる「右向け右」を国民に統一させるのは難しい世の中になりました。
だからこそメディアリテラシーと呼ばれる情報の取捨選択の精度を高める必要が出てきました。
最後に。
そもそも私自身が、戦争の歴史が国によって違う理由が知りたかった。
この本を読み終えて思ったことは、法則と国の事情は、別々で考えるべきということです。法則と国の事情をごっちゃにして、尚且つプロパガンダに流されながら「あの隣の国はけしからん!」と思っていましたからね。
過去の戦争の是非を問う前に、この法則を知ってから歴史と向き合うのも悪くないです。
戦争とは国民の同意なくしてはじめることはできない。その為の手段のひとつがプロパガンダ。
現在の私たち日本人もどっぷりプロパガンダの渦の中にいることが分かります。
渦の中にいると、近くのもの(情報)しか見えなくなります。この本を読むとその渦を外から見ることができます。
そして、今までと違う答えにたどり着くこともあるでしょう。
そんな新たなキッカケとなる本です。
ではまた。
プロパガンダとは。