【ハンターハンター】『冨樫の緩急』 | お笑いの世界でも大切とされる『緊張と緩和』。これが“分かりやすく”しかも…
こんにちは、サチヲです。
さて、現在のところ『No.400◆秘匿』まで連載を終えましたね。なによりも、“かなりの期間”を明けてからの連載再開してくれたのが本当にうれしいかぎりです。
そして、2024年になりましたが…冨樫義博からは公式Xのツイートで「No.401完成。 制作体制は固まっていませんが、 机での作業時間が少しずつ 増えて来ただけでも嬉しい。」というのが2023年3月9日にツイートされたっきり、音沙汰がありません。音沙汰がないことは元気な証拠として、受け取って良いのでしょうか。
では、今年も『連載再開の祈願』をしながら、私の超主観的な目線で本編を振り返らっせていただきますね。
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☆★☆☆★☆もくじ
【ハンターハンター】『冨樫の緩急』 | お笑いの世界でも大切とされる『緊張と緩和』。これが“分かりやすく”しかも…“スムーズに”やるもんだから自覚なしに引き込まれるんです!!
今年もいつも通りこのブログを読んでいる方は、ハンタを既に読んでいる者(冨樫の訓練を受けている者)と想定し、説明なしで話を進めさせていただきますね。
さて、やっとのことで“まとも”な情報が得られる『狩人の酒場』まで来ましたよね。
そもそもここまで、ずーーーーーっとしばらく戦いなんてしていないんですよ。あの!少年ジャンプでね。
それなのに!このドキドキ感やワクワク感が、“絶えず”繰り返し私の心を打つのは何故なのでしょうか。
それが、面白さを演出する技術である『緊張と緩和』なんです。それぞれ見ていきますと…
- 緊張は、身体や心にストレスを与える状態であり、興奮や不安を引き起こすことがあります。体や心が張り詰めた状態。
- 緩和は、身体や心の緊張を解消することで、リラックスや安心感をもたらします。きびしい状態をやわらげたりゆるめたりすること。
緊張と緩和は対義語なので、それぞれの方向にしっかり振り切らないと“そこ”にギャップが生まれなく、読んでいる読者に全く伝わらないことになるのです。
だからこそ“分かりやすく”不安や緊張を煽る必要があり、“分かりやすく”その状態から解放しなければ、結果、ワクワク感やドキドキ感に繋がらいんです。
そこを踏まえて!先ほどの続きのページ。いわゆる『緩和』のページを見ていきましょう。
ゴンが画像をクリックして話を聞いてみると、突然「2,000万」という信じられな金額を出されますが…キルアたちは「なんか金銭感覚マヒしてくるなー」といった具合に、“まだ”現実を受け取りきれていない状態なんです。
まさに、読者自身も『2000万』という金額を見て読んでも“まだ”緩い状態なんです。
そう。今回は、『緩和⇒緊張』のバージョンが見れるのです。
そして、画素数の粗い無表情のバーテンダーから突然『真実』という『緊張』が走るのです!
ゴンとキルアは、今までパソコンの前で情報を見ていたのに…急に、画面の中にゴンとキルアが引き込まれたような描写に切り替えるんです。
そうすることにより、第三者的…というか、どこか当事者ではない感じがしていた二人(読者も含む)に、突然『当事者意識』を叩き込まれた感じにさせるんです。
特に、左上のゴンとキルアがビックリしたコマを見てください。少し上に飛び出していますよね。
こちら…単行本では上の『余白』の部分にあたるのですが、『見開きページ』のように滅多なことが無いかぎり突き抜けることは無いのですが…あえて突き抜けることにより、場面転換の“スムーズさ”を演出しているように思えます。
冨樫は、こんな感じに言語以外に視覚的にも“分かりやすく”平気で描くんですよ。
しかも、『還ってきた者はいない 誰一人』以外は、ストーリーの辻褄がほとんど合っているんです。
これ…どういうことかと言いますと、この時“既に”構想は出来上がっていたんですよね。あの!複雑で、設定が過去最高に多い難解な章である『グリードアイランド編』をですよ!?
しかも!『還る』と表現しているんですよ。
細かい話になりますが、『還る』とは「自然に還る」「土に還る」「野性に還る」のように、ある物がそこから生じた大元や、根源的なものに戻るという意味として使われる漢字を“あえて”使っているところが繊細なんです。
これにより、グリードアイランドの情報を得たのにも関わらず、知れば知るほど分からなくなる…という矛盾も表現し、「念能力者が作ったゲームだ」とバーテンダーが言った言葉が、更に信憑性と恐怖感が増していることがスゴイのです。
結果、この3ページで『緩和⇒緊張』を見事に表現しているんです。
最後に
私め、ハンターハンターの振り返りを色々ブログに書いてきましたが…まだ『No.070』なんですよね。
まだまだ先は長いですが、マイペースで感動を伝えていきますので…今後ともよろしくお願いします。
ではまた。