【ハンターハンター】『No.409◆交渉③・感想』 | ボークセンの命を繋ぐ戦いが続く中、新たな可能性も同時に思考して…
こんにちは、サチヲです。
ゴリゴリのネタバレ有りで、しかも、本誌の写真を載せていますので…お気を付けくださいませ。
私め、特に『冨樫が描くキャラクターの機微』が大好きなのです。だから、よく調べて考えるような『考察』ではなく、根拠もなくあれこれ想像する『妄想』レベルのハンタ記事だと認識していただけると…とても楽しめると思います。
今回も“もれなく”オンとオフを描き分ける冨樫に、ただただ感動しました。
「特殊戒厳令発令!!これは訓練ではない!!!繰り返す!!これは訓練ではない!!!」という、国家存亡の危機に対する最大級の警戒態勢を第1王子ベンジャミンが発動したのですね。
ということは…です。
前回、第9王子ハルケンブルグの念能力『少年は残酷な弓を射る(グリマル・レ・ディソナンス)』によって、ベンジャミンに唯一進言が出来ながらも冷静に大局を見ることができるバルサミルコさんに対して『強制人格乗っ取り』を果たし合体し『ハルケンジャミンさん(中身…ハルケンブルグ・外側…バルサミルコ)』と成った…後、ベンジャミン陣営に分かりやすい攻撃を仕掛けたのでしょう。
しかし…ハルケンジャミンさんって、単体の近接戦闘で致命傷を与える攻撃ってありましたっけ?『弓』は志を共にした仲間がいないとダメですし…。あ。バルサミルコが靴に仕込んでいた『毒ガス?』を使うのでしょうか。私、気になります。
なんかしらの攻撃が“もしも”成功(成功するとは思えないが…)し、カキン王国王子の中で最大の軍事力と影響力をもつベンジャミンが居なくなったら…みんな動きやすくなって面白くなりそうですよね。
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☆★☆☆★☆もくじ
- 1 【ハンターハンター】『No.409◆交渉③・感想』 | ボークセンの命を繋ぐ戦いが続く中、新たな可能性も同時に思考して…いたとは。さすが将来有望の特質系っ子です!!
- 1.1 交渉③話目にして、モレナの念能力の発動条件が開示されました。
- 1.2 そして…特質系っ子の初キッスでございます。
- 1.3 「はい!ゲームに引き戻します!!」という感じに、気持ちを揺さぶる構成で畳みかけます。
- 1.4 なのに!次のページでは突然『時間経過』の概念を入れたページを描くのです。冨樫という漢は。
- 1.5 『QA』カードを選ぶことにより、『ウミガメのスープ』がはじまる…。
- 1.6 だからこそ、モレナも真摯に答える。なんせ制約と誓約が課せられているから・・・
- 1.7 今週号の本題がここできました!仲良くなって沸き上がった『モレナを助けたい』という…
- 1.8 仲間になっていない状態で、今!私にできる事。を、模索することになる。
- 1.9 だって…、また、新たな選択肢を選んでしまったんですもの!
【ハンターハンター】『No.409◆交渉③・感想』 | ボークセンの命を繋ぐ戦いが続く中、新たな可能性も同時に思考して…いたとは。さすが将来有望の特質系っ子です!!
そんな緊急事態になっている第1層ですが、自分の今いる場所も分からないところで、“まだ”窮地に追い込まれ続けているボークセン。
もちろんボークセンは『特殊戒厳令』がどんなモノかを知っているのですが…なんと、まさかの説明キャラもこなしてくれました。
- 特殊戒厳令とは…この放送を以て 全国王軍兵は『不審者に対する警告無しでの射殺』の権利と『武装市民の徹底排除 即ち危険分子の即時射殺』の義務を付与される
今まで、ポーカーフェイスで乗り切っていましたが…初めてモレナから視線を外すほどの動揺が見られましたね。
しかし!直ぐに立て直します。
視線を外した“顔の向きのまま”で、しっかりモレナの一挙手一投足を観察していました。その時の瞳をしっかり描くことにより、動揺の収まりと落ち着きを表現されていましたね。
だからこそ「D(取引)のカードを選ぶわ」と、モレナに対して追撃の手をゆるめませんでした。
よーく考えたら、ボークセンに初期装備された『相手の仕草や表情・声色で、イエス・ノーの判断ができる』スキルって…めちゃくちゃ凄いですよね。
そのスキルで叩き出した仮説が…
- 放送(他の事)に気を取られていたか
- 思考を立て直すための時間稼ぎ
ですよ!私め、こんなに驚いた時に、「やった!相手の表情の変化を見るチャンスだ!!」なんて思考に辿り着きませんから!せいぜい「あぁ。このままゲームがうやむやにならないかなぁ」という、自分で道を切り拓くような思考ではなく、他力本願な夢を見る自信がめちゃくちゃあります。
その点、ボークセンは2つの仮説を元に、“交渉ゲームをしながら仮説の深掘りをする”のです。
この『深掘り』のおかげで、読者を置いてきぼりにしない…。この『文字量(情報量)』があるから、時間内に早く可能性の分岐先まで考えないと死につながる…というボークセンの緊迫感を共有することができる最高のコマでした。
交渉③話目にして、モレナの念能力の発動条件が開示されました。
- 交渉ゲームで結論が「イエス」になる事
- 私とキスして能力を感染させること
- 私か 私の仲間が殺人をしている現場に あなたが居合わせる事
これで『恋のエチュード(サイキンオセン)』が発動されるのですね。
私め…お恥ずかしながら、てっきり交渉ゲームは他のキャラクターの念能力かと思っていました。
そして…特質系っ子の初キッスでございます。
冨樫さん。ボークセンを読者のさらし者にさせないため、最大限の配慮したコマを一番上に描いてくれました。ここまで繊細にボークセンを描くのならば…ボークセンは死なないと思いますッ!多分ッ(願い)!!
事後、ボークセンの目が黒く曇っているのが良き!まぁ、不本意ということでしょう。表情は同じでも、瞳の描き分けで“ここまで”動揺を表現するのです。
ただね、最終的に「戻すのは『X』のカードよ!さ!続けましょう!」の吹き出しの形をご覧ください。
過去に、煽られ耐性ゼロのセンリツ姉さんも「やればいいんでしょ!」と同じファンシー吹き出しを使ったのです。
という事は…モレナは単純に優しい言葉をかけているのではなく、完全にからかってますよね!?モレナにしてみたらボークセンは“うぶな女性”という深い個人情報が知れた上に、こんな煽りに弱いことも知れましたからね。
このやり取りの表情は描いていませんが、きっと女子会のように会話を楽しんでいると信じたいです。
いやはや。冨樫の、緩急にやられました。
「はい!ゲームに引き戻します!!」という感じに、気持ちを揺さぶる構成で畳みかけます。
『プチリクエスト』を『セクハラ』と訳していながらも、しっかりモレナ陣営の揺さぶりを怠りません。なんせ、ボークセンからしたらセクハラで相当揺さぶられてしまいましたからね。
しかも、死がテーブルの上に置かれた状態ですから…当たり前ですね。
前回も『日本人』と明言はしていませんが、完全に『日本人の言い回しは絶妙に変』と同じように、今回は『付き合いたてカップルあるある』を投入してきました。冨樫さん…ナニか思う事があるのですね。分かります。私も“そう”思いますから。
しかも!今までのハンタのコマで、こんな可愛らしいトーン使ったことは無いでしょう!?
そして、また「うるさい!あんなのキスじゃない!!いい!?開けるわよ!!」でファンシートーンです。もう…モレナと相当仲良くなっていますよね。
なのに!次のページでは突然『時間経過』の概念を入れたページを描くのです。冨樫という漢は。
最低限のセリフ!最低限の動き!そしてカメラアングルを中距離(カードをきる)、遠距離(カードを並べる)、近距離(カードを置き終わる)、という場面転換を繰り返すことにより…部外者だった私を“また”ボークセンの隣に座らすような描き方をするのです。事実!一緒にカードを選ぶ感覚になりましたし、一気に緊張感も沸き起こるのです。
『QA』カードを選ぶことにより、『ウミガメのスープ』がはじまる…。
『ウミガメのスープ』とは水平思考パズルの俗称で…最大の特徴として、出題者の出す問題は文章を読むだけでは解けない為、これに対し解答者は『はい』か『いいえ』で答えられる質問を出題者に出し、その答えをヒントに問題を解いていくパズルとなる。(詳しくは、こちらのピクシブ百科事典を読んでください。)
先ずは、自分の現在地の特定を目指しています。
今後“もし”生き延びることが出来たのなら、モレナのアジトへ攻撃が可能になるし、B・H号という稀有な状況から場所自体が致命的になる情報だからでしょう。
先ほどの『特殊戒厳令発動』の放送が流れるという事は、上層階だ、という仮説を立てたものの…そうは簡単にいきません。
ちなみに、ボークセンの最初に聞いた「このアジトは第5層のどこかにある」という質問を聞いた後のモレナの表情を見てください。「え、ボークちゃん…そんな質問でいいの!?もっと私のことを聞かないの??」という表情ですよ。
モレナが間を開けて答えたセリフ「NO.」の表情なんて、「そっか!分かった!ボークちゃんが喜んでもらえるのなら、どんな質問にも答えるねッ♡」という表情がとても良いのです!!
そんな愛を紡いでいる間に…突然、答えが導き出される。
よく音と振動で分かりますね。カキン王国で防災訓練でもしていたのでしょうか。
兎にも角にも!質問だけでは辿り着けなかった『答え』を出せたのです。
結果、2層と3層の間という…。今、フィンクスとフェイタンが歩いているB・H号の外側と内側の間とか…。ヒリンギ兄さんとノブナガがモレナアジトを探していた時の部屋の奥に大きな部屋があるとか…。きっともっと沢山仕掛けがありそうですし、なんとでもなりそうな気もしますが…事実として、B・H号製作段階からきっちり計画を立てていたことが伺えます。
ただ、どんな抜け道があろうとも『交渉ゲーム』で『R』を引き、生きて帰ることをしなければ、今までの情報も水の泡なのです。
だからこそ、モレナも真摯に答える。なんせ制約と誓約が課せられているから・・・
冨樫は決して忘れません。ボークセンを殺すことに対して、モレナが「Yes.」と言った深くどす黒い瞳を描きながら、1点だけ小さな白い光を描いていることを。
決めたことをやる。しかし、ここまで仲良くなった(セクハラで)のなら『ボークセンが仲間になる』という一縷の望みを、モレナの目を見て感じました。
冨樫の目の描き分け、ヤバいです。
今週号の本題がここできました!仲良くなって沸き上がった『モレナを助けたい』という…
二人の『会話』と『目』だけを追って読み込むと…また違った味わいを感じることができると思います。
ボークセンの『可能性を探る目』。モレナの『確固たる意志の強さの目』。
この感情の変化を、繊細に描いているのです。もうここでは、ボークセンは感情を表情にめちゃくちゃ出しているんです。むしろ、その感情を使ってでもモレナを助けたい、と言っているような…。
もしくは、モレナの世界を壊してあげたい…なのか。
仲間になっていない状態で、今!私にできる事。を、模索することになる。
それでもお互いに、お互いのの意思を諦めない…
だって、最後のモレナとボークセンの目を見たら…
意図した最後の望みが消え…最後に、共同作業で疎通を図る。
イカサマをさせないため…念能力がないなりに…最後の揺さぶりをかける。
「やっ た…!」ですよ!!!大好き!特質系っ子ボークセン!!
冨樫なら、平気で殺(や)りそうな感じでしたが…なんとか今週号も乗り切りました。(まだ、生きて帰れるとは思っていない…)
だって…、また、新たな選択肢を選んでしまったんですもの!
まだ終わらんよ・・・
最後に
なんか、本誌の絵をたくさん載せすぎて言葉が少なくなってしまいましたね。でも!それほど今回の『絵力』に感動したのです!!
あぁ本当に面白い。脇役であろうキャラ同士で3週間も描く。なんでしたら来週も描く。なのに、面白い。目が離せない。
不思議なことに、モレナ陣営を応援している私が居るんです。読者の感情操作をも詰め込む冨樫。
なんだか…遠くから連載休止のビートが聞こえてくるし、情緒不安定になります。
今日も、ウチに遊びに来てくれてありがとうございます。
ではまた。