アンダーニンジャ ©花沢健吾/講談社
こんにちは、サチヲです。

中野学校とか実際に『在る』設定と、理想的な社会と真逆なディストピアの設定という、現実と非現実をうまい具合に融合させるシナリオにめちゃくちゃ定評のある花沢健吾先生が描く『アンダーニンジャ』をマンガとアニメの両方を少し見直したのですが…やはりどちらも面白いのです。

マンガの1話の冒頭では、テロリストであろう人たちの『悪巧み』をめちゃくちゃリアルに淡々と描いているシチュエーションに、突然『ニンジャの痕跡だけ残す』という一気に現実と非現実を混ぜ込んだグレーな世界を描ききった最高のエピソードを、アニメでは中番に入れ込んだのです。
というのも、アニメ版の“いちばんの英断”は『マンガの時間軸(構成)を変える』ことをしたのです。
もちろんこれは誰でも見やすく、より広い層に視聴してもらう為に。一度見たら最後まで見たくなるような気持ちにさせることに加えて、視聴者の離脱を防ぐ技術が詰まったアニメ版も非常に面白いのです。

正直、原作ファンからしたら「こんなにぐちゃぐちゃにして許せない!」という声もあるでしょう。
ちょっと待ってください。
アニメ制作にはマンガ以上にお金がかかるし、大人を巻き込んでいるのです。おいそれコケる訳にはいかないのです。
如何に30分枠の中で感情の揺さぶるるための“仕掛け”を作り、原作を尊重しながら利益も出すという両極端のことを同時にする離れ業をしているのです。
もうコレは、アニメ全スタッフの『作品に対しての愛情』が溢れかえっているからこそなのです。

結局のところ、原作のマンガが最高だから成立するのです。

【マンガ&アニメ】『アンダーニンジャ』 | そもそも作品が素晴らしいのでアレだけ構成を変えても成立する面白さがある

アンダーニンジャ ©花沢健吾/講談社

だって、この古アパートに集まる人々の日常感あふれるシーンも、謎と違和感が静かに流れる感じがいいんですよね。
この「え、おかしいと思っているのは読んでいる“あなた”だけですよ。これが普通の状態なのです」と、言われているような説得力が大好きなのです。

アンダーニンジャ ©花沢健吾/講談社

別にきにすることではないのですが、真ん中のお姉さん(川戸 愛)は一般人として描かれているのですが…絶対に『めちゃくちゃ凄いニンジャでした』と思わせていますよね。
お姉さんが「生きてたんだぁ」と言った後の、奇跡(みらくる)の対応が「!?」というリアクションなのですよ。これって、一般人には情報共有していない情報を“お姉さんが知っていた”ということではないでしょうか。
まぁ、そうなるとこの日常シーンでよく使われるボロアパート自体も怪しく見えるのです。
逆に、本当に一般人でただ催眠術で記憶操作されているのか…と、無駄に妄想が膨らんでしまう秀逸な日常シーンなのです。
もうこの辺はネタバレになるので終わりにしますが…兎にも角にも、戦いだけでなく静かなエピソードもめちゃくちゃ面白いのです。

ちなみに、先ほどのお姉さんは川戸 愛という名前なのですが…なんと!アニメではあの!!安済知佳(あんざい ちか)さんが演じてらっしゃるのです!!!
えーと、アニメ『リコリス・リコイル』の錦木 千束(にしきぎ ちさと)役や、『響け!ユーフォニアム』の高坂麗奈(こうさか れいな)役とか、あと『ラブライブ!』の放送部員Aとか…伝わりましたか?
恥かしながら、3~4回繰り返し見てるのに、今やっと気がつきましたよ。

最後に

というか『絵』もキレイですよねぇ。
次に原画展とかあったら行ってしまいそうです。

ではまた。