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こんにちは、サチヲです。

この言葉を20代の時に聞いていたら、切れ味抜群すぎて諸刃の剣になり兼ねないくらい強く深く突き刺さる『考え方』です。
でも!私のような50を過ぎた人が聞くと、めちゃくちゃ大事で大切な息のつまる『考え方』だと確信しました。
先ずは、全文の一部と現代語訳を記載します。

人間(じんかん)五十年、下天(げてん)の内をくらぶれば、夢幻のごとくなり 一度(ひとたび)生(しょう)をうけ滅せ(ほろせ)ぬ者(もの)のあるべきか。
現代語訳⇒人の世の50年間は、下天の世界の一日と比べれば、夢や幻のようだ。一度命を受けて、滅びずにいられる者がいるだろうか、いや、いるはずがない。

人生の無常を悟り、限りある命の中でどう生きるかを問いかける内容から…さぁここからが魔翻訳の時間になります。
この一節から『目標設定』と『時間の使い方』を学びます。
そう!このブログを読んでいる人も含め、その言葉をどう受け取るかは、その人の自由なのです!…多分。

【知らない言葉】『人間五十年、下天の内をくらぶれば…』 | 幸若舞(こうわかまい)の演目『敦盛』から時間の使い方を学ぶ

能楽を旅する 岡山後楽園特別公演 能「敦盛」・『織田信長が愛した「幸若舞」と「敦盛」』より抜粋。Copyright © THE NOHGAKU PERFORMERS’ ASSOCIATION. 
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  1. 人生は天界の時間に比べて「夢幻のごとく」儚い…ということを深く読みます。だからこそ!「いつかやろう」ではなく、「今」この瞬間や、目の前のやるべきことに全力を尽くす
  2. 「一度生を受けて滅せぬ者のあるべきか」(誰もが必ず死ぬ)という真理と言っても過言ではない言葉から深く読み…人生の期限を強く意識させます。これにより、挑戦と決断を促す
  3. 人生が儚い夢幻であると知ることで、お金や地位、名誉といった一時的なものへの過度な執着から解放されます。「どうせ儚いもの」 と割り切れることで、困難や失敗に直面しても深刻になりすぎず、前向きに受け流す

この事から60才、70才、80才…となった時…『何を成し遂げていれば後悔がないか』という目標設定の優先順位を決める。
その目標を更に『絶対に手を付けておくべき重要な課題』を2~3つにして、重要度の低いもの(欲しいモノと必要なモノを区別する)を切り捨てる覚悟を持つ。
もう少し自己啓発的な言葉で説明すると、いわゆる『選択と集中』にフォーカスした目標設定に見えてくるのです。

よく「時間に追われて…なにも出来ない」というコトってありますよね?

人生の儚さを知っているからこそ、時間を浪費せず、最も価値のあることに集中するということを魔翻訳してみましょう。
この「時間に追われて…なにも出来ない」という状態は、まさに時間の浪費そのものではいでしょうか。(こぎつけ)
これを構造で説明すると『緊急であり重要なこと』という作業に追われている状態を指します。
一見すると、ガンガン仕事をして忙しそうにしているので「あの人仕事できる人だなぁ」と思われがちですが…違います。
真の『シゴデキ(仕事ができる人)』は『緊急ではないが重要なこと』に手をつけている人を言います。

実際に『緊急ではないが重要なこと』の作業をサボると…『緊急であり重要なこと』という作業が生まれる仕組みがあるからです。
例えば、サービス業の中でも飲食店で説明すると、そのメカニズムが分かりやすいかもしれません。

飲食店の『4大緊急ではないが重要なこと』と言えば…

  1. 普段から決まった量や味、温度や鮮度といった『食』を提供するという、Quality(品質)
  2. 接客態度や迅速性、おもてなしといった、お客様が来店してから退店するまでの一連の体験である、Service (サービス)
  3. 店内の清潔感、衛生管理、スタッフの身だしなみといった、お客様に安心感と快適さを提供する、Cleanliness (清潔さ / クレンリネス)
  4. 内装や外装、BGMといった、お店全体が醸し出す心地よさやムードを指す、Atmosphere (雰囲気 / アトモスフィア)

これらの頭の頭文字をとって『QSCA』という業界用語があるのです。
飲食店で働いたことのある方なら「QSCを保つように!」と店長に口を酸っぱく言われたり、店舗でこの張り紙を見た経験があるのではないでしょうか。
この『QSCA』の質を落とすと…お客様からのクレーム対応に追われる。テイクアウトの袋にスプーンが入っていなかったので急遽お客様のご自宅に届ける。シンプルに食中毒を出す。といった『緊急であり重要なこと』という作業に振り回されることになるのです。
さて、このような店長を『シゴデキ』と言えるでしょうか。

あなたの業界でも、独自の『緊急ではないが重要なこと』があるのではないでしょうか。
もっと身近なことで言えば、毎日歯を磨かなければ歯医者のお世話になることになる。というコトです。
この事を念頭に入れた目標設定を作ると、結果!「あぁ…オレって仕事に追われていない。むしろ仕事を追っているなぁ」というシゴデキ実感が生まれるという寸法です。

最後に

今回勉強させてもらったサイト『織田信長が愛した「幸若舞」と「敦盛」』には…
“「敦盛」があることから、「人間五十年」の一節が能であるという勘違いが生まれてしまったようですが、実は信長が好んだこの「敦盛」は幸若舞と呼ばれる芸能で、能とは別のものです”と仰っていました。なんと!他にも、式楽に似た『幸若舞』があったのです。
興味のある方は、是非!サイトを踏んで読んでみてください。内容もさることながら、サイトの品格の高さを醸し出す美しさが、そこはかとなく醸し出していますよ。
ちなみに、「聞いたことがある」と「聞いたことがない」とでは、次に情報にふれる質と量に差が生まれる…かもしれませんよ。

あ。
最初に“、切れ味抜群すぎて諸刃の剣になり兼ねないくらい…”と言ったのは、若い時には無駄と思えることをやるのも大切だと考えているからです。
時間の価値はその時によって変わります。
どんな年代にしろ、その価値を作るのは自分以外いないのですから。

ではまた。