こんにちは、サチヲです。

日本語版の初版は1988年4月8日に発行されましたが、原著の初版は1940年1月1日に発行されるという、実に半世紀ものタイムラグがあるのに日本のビジネスパーソンやクリエイターの間で現在も絶大な支持を集め続けているのがジェームス・W・ヤングさんの 『アイデアの作り方』 です。
こちらはシカゴ大学のビジネススクールで行った講義や、広告業界の仲間たちに向けて語った内容(1939年執筆)がベースになっていて比較的古い本になっています。

とはいえ、今も変わらずに売れ続けているのには理由があって…
ヤングさんの理論があまりにシンプルで本質的であること。
翻訳者である今井茂雄さんは、時代が変わっても “同じ文章” が使われるほど定番訳であること。
実に珍しいことに、翻訳のほかに地球物理学者・竹内均さんによる 『解説』 の存在なんです。
曰く…「科学者の視点から見ても、このアイデアの作り方は完全に正しい」と太鼓判を押し、日本人が実践しやすいように独自の補足を加えています。
要するに、みんなが参加したくなっちゃう鉄板ネタが凝縮されている本なんです。

【読書】『アイデアの作り方』 | 普遍的であろう、原典であろう、その考え方の一つを学んで選択肢を増やしてみる

最初に本書を手に取り読み始めた時、このあまりにも “薄い本” を見ながら2冊の自己啓発本を思い出しました。
イギリスの哲学者ジェームズ・アレンの代表作 『原因と結果の法則』 と、スペンサー・ジョンソンがビジネスや人生の変化への対応を説いた寓話 『チーズはどこへ消えた?』 です。
『原因と結果〜』 のようなクラシックな佇まい と、 『チーズ〜』 のようなシンプルさ をあわせ持ちながら、最も分かりやすい共通点として 『本が薄い』 ことがあげられます。

  • 『原因と結果〜』 の総ページ数が141ページ。
    見開きの片側に 「短いフレーズ(名言風の一言)」 があり、もう片側が「その解説文」という贅沢なレイアウトになっているので実質はもっと短く感じるでしょう。
  •  『チーズはどこへ消えた?』 の総ページ数が94ページ。
    文字も大きめで、ネズミと小人の可愛いイラストが要所に挟まれているため、大人が本気で読めば30〜40分ほどで読み切れてしまう でしょう。
  • 今回の『アイデアの作り方』の総ページ数が102ページ。
    実はヤング氏が説いている部分は62ページまでで、その後は解説という構成になっています。

雑な言い方をさせてもらうと、すぐに読み終わることができる。
なによりも翻訳と解説があるので、同じような内容を繰り返し読むことになるので理解度は抜群に高くなるのです。
先の2冊にも共通しますが 『1つの重要なメッセージ』 を伝えるために、無駄なチャプターを作らず最短距離で結論へ向かう構成になっているため 、結果!1時間くらいで読めるボリュームとなっています。

もちろん 「名著中の名著ゆえの無駄のなさだよNe」 と言えばそれまでですが、これ以上削るところがないほどのエッセンスだけで構成されているのです。
本質だけが1本のブレない軸で書かれているので、ページ数が少なくても満足感を得ることができる貴重な本であることは間違いありません。

いつもの如く紹介する本のネタバレは極力しませんのですが…あえて答えをさらします。

  1. 資料集め諸君の当面の課題のための資料と一般的知識の貯蔵をたえず豊富にすることから生まれる資料。
  2. 諸君の心の中でこれらの資料に手を加えること。
  3. 孵化段階。そこでは諸君は意識の外で何かが自分で組み合わせの仕事をやるのにまかせる。
  4. アイデアの実際上の誕生。ユリイカ!分かった!みつけた!>という段階。
  5. 現実の有用性に合致させるために最終的にアイデアを具体化し、展開させる段階

さて、本書を読んでいない状態で答えを見てもピンときません。
これは、自己啓発あるあるですが…作者は簡単に説明しているつもりでも、私のような理解力のない読者にはちんぷんかんぷんなんです。
まぁ “ある程度” は分かりますよ。
しかし、それで突き進むと自己流の解釈になり、出る結果は全く違うものになりかねません。

著者であるヤングさんも、こんなコトを仰っています。
第一は、この公式は、説明すればごく簡単なので、これを聞いたところで実際に信用する人はまず僅かしかいないということ。第二は、説明は簡単至極だが実際にこれを実行するとなると最も困難な種類の知能労働が必要なので、この公式を手に入れたといっても、誰もがこれを使いこなすというわけにはいかないということである。
だからこの公式は、大いに吹聴したからといって私がくらしをたてている市場にアイデアマンの供給過多が起こるというような実際上の危惧はまずない。

いわゆる… 「簡単な方法だけど、1000人が聞いても実際にやる人は10人で、さらに続ける人は1人。だからこの法則を共有しても私の業界を脅かされることはない。」 …という自己啓発界隈で必ずと言っていいほど 『話のオチ』 に使われるネタが、1940年に登場していたのには驚きました。

ただアイデアの作成は、習得したり制御したりできる“操作技術”によってはたらくものであること、という感じに、あなたや私に “磨けば身に着けつことができる技術なんだ” と言ってのけている点はグッとくるものがあるのではないでしょうか。

高くジャンプする前にその足場を固めるための知識として。
高くジャンプするための筋力を鍛える方法論として。
安全に飛べるようにするために読むのが、本書なのです。

最後に

おまけの効果として 『読書成功体験をカンタンに積むことができる』 のです!
要するに、 「ん。おれ? あー、今月はもう1冊読んだよ。 フッ。」 と読書自慢ができることなんですよね。
更に、読書で使う特殊な筋肉を鍛えることができる数少ない筋トレ本なんです!

ではいつものように…
私が本をおすすめする時は「先ずはあなたの街の図書館で探しましょう」です。
ちなみに、私の住む地域の図書館では『図書所蔵数 0冊・予約数 0人』でした。
あれ…ありませんでしたね。どういうことでしょう。みんなに読まれているはずなのに…なんだかドキドキしてきました。

気を取り直して、私の場合は、「中古の本をバリューブックスで買う」の一択です。
昔は図書館を使っていたのですが…もう待てないのです。
古本を買って、響かなければ直ぐに売ればいい。という考えですね。

ではまた。