/>HUNTER×HUNTER 連載再開祈願 #3| 【キャラ】構図とセリフでキャラ説明をこなす冨樫義博
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HUNTER×HUNTER 連載再開祈願 #3| 【キャラ】構図とセリフでキャラ説明をこなす冨樫義博

1巻からの振り返り熟読 ★HUNTER×HUNTER

こんにちは、サチヲです。

2018年11月26日から現在まで、冨樫義博史上最長の連載休載期間を更新中です。

連載再開の願いを込めて、1巻から読み直します。この世にはこんな素晴らしいマンガがあるんだ!ということを、ただただ紹介させていただくシリーズです。

完全に私の感覚と好み…要するに主観だけで構成されているので、肌に合わない方はこのブログをそっと閉じてくださいませ。。では。

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HUNTER×HUNTER 連載再開祈願 #3| 【キャラ】構図とセリフでキャラ説明をこなす冨樫義博

先ずは、1枚目の1コマ目。
クラピカ、ゴン、レオリオの3人の顔のアップと全身ショットの構図がいいですよね。

全身ショットで背丈を説明していますが、背の高いレオリオを少ししゃがませることで、背の高さの説明と共に、立たせるよりも3人一緒に映った時の『バランス』が格段に上がります。

レオリオの全身ショットでは眼鏡で目が見えませんが、顔アップショットでは眼鏡をしっかりずらしてわざと目を見せることによって肝が据わっていて、どことなくこの状況をなめた感じにも見えます。
ちなみに、クラピカの眼は完全に警戒して閉ざした感じで、ゴンは屈託のない無垢なイメージにうつります。

そして、3人の全身ショットの下には、人間性の説明の役割がある3コマが続きます。先ずはレオリオから。

1コマ目は、知らないヤツの言いなりにはならないという『警戒心』。しかも高圧的な態度には、それを跳ね返す『心の強さ』と『ガラの悪さ』。

2コマ目で、自分のしていることは間違っていないという『自信』と、リーダーシップを取りたいというアニキ肌。

3コマ目では、自分が間違ったこと判断したことや、正しいと判断したことに対しては戦ってでも押し通す、ある意味『自分勝手』な言動と頑固さ。

このような会話のやりとりから、粗暴でガキ大将的なキャラを思わせるように描いています。

次のページでは、直ぐにクラピカの説明する3コマが同じような表現で続きます。

1コマ目で、レオリオ同様。いやそれ以上に、自分に対する『自信』が見えます。それは協調性と思いきや、そんな生やさしさではないことが次のコマで表現されています。

2コマ目で、レオリオとの違いをはっきり出します。それは理論武装された言葉からは『知的』な印象をだし、更にレオリオのように威嚇する訳でもなく『冷静』に淡々と話す姿には、自分の意見をしっかり持ちながら、それをしっかり相手に伝える意思の強さもうかがえます。

そして、レオリオの声なんて聞こえない、いや聞いていないということを3コマ連続して表現された3コマ目では、それだけで自分の正当性と同時に、自己主張の強さを表します。

人の話も聞かないのに自分の話は聞いて欲しいという『わがまま』さと『協調性』の無さ。しかも、話す内容は屁理屈にも似た言いようだから、それに『面倒くささ』もプラスされています。

要するにゴン以外の2人は『癖者』として紹介し、印象も悪く見せるようにして描いているのです。

コレには意図があります。レオリオ編

その後のエピソードで『実はいいヤツだったよね!』と思わせるための演出でした。振り幅でした。

レオリオに関して言えば、キャラ説明エピソードの後、なんだかんだでクラピカとレオリオが嵐が吹き荒れる船上で決闘をする場面へと移ります。

まさに戦おうとした瞬間、あまりの雨風の強さで船が大きく揺れ、船の乗組員の1人が海へ投げ出されてしまいます。その時に。

コレです。あのゴンよりも先に、戦い相手のクラピカよりも先に、レオリオが助けに走り出したのです。

あそこまで自分の意見を曲げない、それを押し通すには戦いもいとわないという『こだわり』を見せていたのに、それを上回るモノを実は持っていた。

それが、戦いよりも『人命救助』を優先する行動です。コレ1つで根はいいヤツになってしまいました。コレが振り幅ですよね。

コレには意図があります。クラピカ編。

クラピカの『わがまま』というか『協調性』の無さには、幻影旅団(A級賞金首がそろってる超絶オラつき集団)を捕まえるという無謀にも思える目標があった、という理由がありました。

今まで、このただ1点のみで生きてきたこと。しかも、クルタ族を皆殺しにされた恨みと同時に、一族の存亡をかけてますから、そこら辺のヤツと仲良く一緒につるもうなんて思ってませんよ。

しかも、それをひとりで解決しようとしているんだから、個としての強さも持っていないとダメだよねー、と思わせる理由エピソード満載で、あの前半の感じの悪さを帳消しにするという持っていき方。

極めつけはコレ。あそこまで自分の意見を曲げない、相手を認めない、信じるものは自分のみのクラピカだったのに…だったのにですよ。
なんと、自分から謝りましたからね。

まぁ、人命救助を優先したレオリオを認めたことになるんですが…見てください。今まで気を張っていたクラピカが他人の前で心を許した瞬間ですよ。

最後に

その後3人は、ずっと連むようになりクサレ縁というか、かけがえのない仲間になっていきます。

レオリオは、どんどん実直で思いやりがある優しいエピソードを重ね、結果3人の中でいちばん『まとも』な人として描かれます。
クラピカは富樫のクセとも言えますが、いい意味でどんどん主人公化していきます。
ゴンは、どんどんサイコパス(他人への共感力に欠けた自己中心的な感情をもち、他者への思いやりや犯罪意識に欠けた人物のこと)の極地へといきます。。要するにヤバいヤツです。

全く話は違いますが、冨樫義博はここぞという時に『目』で語らせますよね。しかもセリフが「…怒りがやがて風化してしまわないか…」ですよ。こんなカッコいいの普段言いませんよ!

この辺から厨二病(思春期である中学2年生頃の少年少女が取りやすい言動やエピソードなどのあるあるネタを指したスラング、用語。別名「他人とは違う俺カッコイイ病」)全開です。

というかコレが、冨樫の『言い回しがやけにカッコいい言葉』のスタートとなります。
後に、念能力が出てくる頃には『厨二病全開のネーミングセンス』というスキルが発動します。

いや、冗談抜きで本当にカッコいいですからね。

前回はこちら。
HUNTER×HUNTER 連載再開祈願 #2| 【絵】雲の描き方で状況をも説明する。 | サチヲん家 (sachiway.net)

次回はこちら。
HUNTER×HUNTER 連載再開祈願 #4|5話目にして既に私(達)に対して調教が始まっていたのだ… | サチヲん家 (sachiway.net)

ではまた。