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大東亜戦争(太平洋戦争)を振り返るNo.2 | 戦争をなぜやったのか!?ではない。なぜ負けたのかを明確にしていくべき。

投稿日:2021年4月12日 更新日:

こんにちは、サチヲです。

昨日の続きです。

大東亜戦争(太平洋戦争)を振り返るNo.1 | 戦争をなぜやったのか!?ではない。なぜ負けたのかを明確にしていくべき。 | サチヲん家 (sachiway.net)

大東亜戦争(太平洋戦争)を振り返るNo.2 | 戦争をなぜやったのか!?ではない。なぜ負けたのかを明確にしていくべき。

昨日に引き続き、こちらの『「超」入門 失敗の本質』鈴木博毅(すずきひろき)著の本を中心に学んでいきたいと思います。
ちなみに、戸部良一(著) 寺本義也(著) 鎌田伸一(著) 杉之尾孝生(著) 村井友秀(著) 野中郁次郎(著)らで書かれた『失敗の本質~日本軍組織的研究』をもっと読みやすく解説した本です。

自分の人生としても、ビジネスとしても照らし合わせることができる、最大で最悪の『失敗の教科書』として、あなたの今後にお役に立てたら幸いです。

戦略の失敗は戦術でカバーすることはできない

日本軍の戦略があまりにも『曖昧』だった。と本書は決定づけています。
日本軍がどのような戦略を持っていたかは説明がむずかしく、戦後70年以上経過した今も、日本軍がどうして『そのような方向』へ向かって行動したのか、分からないことが多々あります。

しかし、『曖昧な戦略』しか持っていなければ、どうしてそれほど広大な地域を(一時的にも)占領統治することになったのでしょうか。
日米の戦闘の推移から、日本人がなぜ戦略的に物事を考えるのが苦手であるのか、その答えをも本書は見つけていくことになります。

01 戦略とは『目標達成につながる勝利』を選ぶこと。

日本軍の努力の70%は無意味だったと本書は定義づけています。

太平洋の覇権をかけて日米が激突したミッドウェー作戦では、日本の連合艦隊が戦力的に優勢でした。しかし、実際の戦闘では暗号が直前でほぼ解読され、日本軍は空母を撃沈され惨敗します。一方では、ミッドウェー島の空爆に成功しますが、米軍機による警戒とレーダー監視により米軍航空機はすべて退避しており、実質戦果は乏しく海戦の最終的な勝利につながりませんでした。

レイテ海戦は、フィリピンのレイテ島に上陸した米軍の撃退を目指した捨て身の作戦でしたが、囮として配置した北の小沢艦隊がウィリアム・ハルゼー大将率いる第三艦隊を引き付けることに成功します。しかし、戦艦大和を主軸とする栗田艦隊はレイテ湾直前までたどり着いたにもかかわらず『謎の反転』で千載一隅の勝機を逃しています。

この時に、日本軍が駐留した二十五の島のうち、米軍が上陸占拠したのはわずか八島にすぎません。逆に言えば残りの十七島は、米軍の進行を阻止する役割を果たしていない拠点だったことになります。

太平洋の駐留基地の七割近くが、実は戦略上無意味だったのであれば日本軍の努力の70%もが『目標達成につながらない勝利』に費やされたことになります。これでは最終的な勝利にたどり着きません。

日本軍は、ミッドウェー作戦では戦力総数で米軍に勝ることに『成功』し、島の爆撃にも『成功』しています。
ところが、戦史が教えるように目標達成につながらない勝利であり、劣勢の米軍は目標達成につながる勝利だけをつかみとり、戦局を逆転させているのです。

02 戦略を実現する方法が『戦術』とすれば、戦術で勝利しても、最終的な勝利には結びつかない。

戦略を実現する方法が『戦術』とすれば、例えばミッドウェー島の爆撃をスムーズに行うことは戦術となります。

しかし、米軍の空母を撃沈する前に連合艦隊の空母が沈んでしまえば、ミッドウェー島付近では日本軍は戦闘機の部隊の運用をできず、島を維持できません。したがって島への爆撃に成功しても、ミッドウェー作戦に勝利することはできなかったのです。

いかにすぐれた戦術で勝利を生み出しても、最終目標に達成することに結び付かなければ意味はありません。
目標達成につながらない勝利のために、戦術をどれほど洗練させても最終的な目標を達成することはできない。

『ガラパゴス化』という言葉は、孤立する日本製品の独自の進化を指すときによく使われてきましたが、いくら高度な機能を備えていても、標準規格を海外企業に独占されてしまい、最終的にシェア競いで敗れてしまえば、最終的な勝利につながらないという意味と一緒ではないでしょうか。

 

そして、続いての章では「『指標』こそが勝敗をきめる」と糸口をみつけ、どんどん紐解いていきます。
このような感じに、本書は大東亜戦争の失敗から、現代のビジネスという戦争に勝つためのヒントにつなげた解説をしていきます。

最後に

私が、特におもしろいと感じた章は『ゲームのルールを変えたものだけが勝つ』です。

練磨の文化を持つ日本と日本人の美点
→型を反復練習することで、型を超えるという思想
もう訓練で達人的な技能を持つ日本軍へ、米軍はどのように対応したのでしょうか?
日本軍へ対抗するため、彼らも「戦闘における達人」の育成を目標としたのでしょうか?
いいえ、違います。米軍はまったく逆の発想しました。人・技術・運用とそれぞれ「達人を不要とするシステム」で日本軍に対抗したのです。
日本は一つのアイデアを洗練させていく練磨の文化。しかし、閉鎖感を打破するためには、ゲームのルールを変えるような、劇的な変化を起こす必要がある

現代でいうと、iPhoneが分かりやすいですね。
ウォークマンという携帯音楽プレイヤーは単体技術としてはSonyを筆頭に色々出ていましたが、appleはiTunesを作りネットワーク化してプラットホームを作ることにより、後発にもかかわらず『勝利』したとあえて言わせていただきます。

既存の枠組みを超えて『達人の努力を無効にする』革新型の組織は、人、技術、技術の運用、の3つの創造的破壊により、ゲームのルールを根底から変えてしまうのは、規模の大きさに関係なく現在でもあることが歴史と体験をとおして分かります。

このように、歴史リテラシーの勉強をしながら現代を生き抜く力を『どう使うか』まで説いたおもしろい本です。

あなたの興味の琴線に少しでも触れられたら幸いです。

ではまた。

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飯沼祥夫

高校生2年でベースをはじめ、文化祭デビュー。
高校卒業してギターの先輩に刺激を受けギターに転向。
20歳でプロを目指し東京へ。
ヴィジュアル系バンドでインディーズデビューも2年で辞める。
その後はパンク以外のバンドを転々とする。
27歳でとある社長の事務所からデビューしかけたが29歳で辞める。
生涯ライブ経験は北海道から九州までのライブハウスツアーを経験もしているので40回くらいでしょうか。
その後、音楽を趣味に変えて楽しんでギターを弾いています。

現在は48歳。結婚は9年目、二児のオッサンです。
私は、嬉しいこと、楽しいこと、感動したことを
人に聞いてもらいたくなるんです。
そして、共感できたら最高だなぁと思ってます。
先ずは、肩の力を抜いて読んでもらえたら嬉しいです。
よろしくお願いします。