【浅野いにお】『ソラニン』 | 戦って負けた人の言葉なのか…それとも勝った人の言葉なのか…それは自分の状況で一変する!
こんにちは、サチヲです。
先ずは…浅野いにおさん!『デデデデ(デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション)』3月22日映画公開おめでとうございますッ!!
さりげなく観に行きますね!!
ということで、私の一番好きな作品『ソラニン』から魂の1ページをお送りします。
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☆★☆☆★☆もくじ
【浅野いにお】『ソラニン』 | 戦って負けた人の言葉なのか…それとも勝った人の言葉なのか…それは自分の状況で一変する!
過去に、あなたが“憧れている人”がいるとします。その人がいたからこそ“今の自分”があるくらい頑張れた。
そんな人は、どのジャンルにもいるのではないでしょうか。
私ならば高崎晃(ラウドネスのギタリスト)でありディブムスティン(メガデスのギタリスト)ではありますが…その人が、目の前に全く違う事をして生計を立てている姿を見たとき、どう感じますか?
このマンガでは、憧れていたバンドマンがスーツを着た社会人になっていた…です。
そこで、“その人”は言うんです
- 「僕は表舞台に立つような人間じゃなかったんだ。レコード会社にパッケージングされたCDやライブにリアルを感じなくなったんだよ。」
この言葉を、ただの負け犬の声に聞こえるか…。更に、続けて聞いてください。
- 「…守るものが変わったんだ。自分のプライドから、もっと大切なものにね。」
そして、頑張っている…その道を目指している人からすると聞き捨てならない言葉をかけられる…
「…君と僕はちょっと似てるな。」
耳を疑う…というよりか、今!一線を走っていない人間から事もあろうに「似ている」なんて!と思いませんか。
私は、思いました。というか、そんな人の言葉は何にも響きません。正直「こんな末路にだけはなりたくはない」という気持ちだけが芽生えてきました。
更に、ダメ押しの言葉が次のページに語られるんです。
“今”読み返すと…何とも言えない…同情ではないが、切ない感じがするんです。
負け犬と思っていたけど、それは…やりきった人間の言葉だったんだ…という。
それを勝ちと言うか、負けというかは“まわりの人間”が勝手に決めることであり、本人は兎にも角にもやりきったんだと。
だからこそ“前”に進めているんだと。たとえまわりから見たら“そう”であっても。
「君もいずれわかるだろうよ。」今の私なら少し分かってしまったかもしれない。それは一度“やりきった経験”をしたから。
でも、何故“少し”なのか。それは、今をまだやりきってないからだ。
いちばんダメなのはステージにも上がっていないこと。いちばんダメなのは勝も負けも存在しない『何もしていない』こと。
そんなんことは分かってる!でも、現実を目の前に見せられたら…ひるんでしまうのです。
結局、どんな道を歩こうとも“やりきる”ことが正義だし、“やりきった人”を否定してはいけない。
…浅野いにお作品の魅力は、こーーーーんなことを自然に考えさせられるのです。
燃えるような炎ではないが、だが確実に大きな火になる種火が自分の中に芽生えてくるのです。
それは、エピソードを丁寧に描いているからこそ出来る芸当なのです!!
繊細で、まるで『映画』のように無音をマンガで表現し、言葉ではなく絵で伝える。
今、なにか頑張っている人にピッタリな本だと思います。たとえ“それ”が報われても報われなくても…。
だって、“それ”を決めるのはあなたですから。
最後に
実はまだ『デデデデ』を全部読んでいないんですよね。
というのも、最後を知らないで映画を観たいな…と思っているんです。それくらい“アニメ化”を信じているんです。
映画が楽しみすぎます。
ではまた。