【子ども発達障がい支援アドバイザー】『サポート理論No.4』 | 我が子の特性に知り、適切な対応をする。コレだけ。
こんにちは、サチヲです。
法改正されてしばらく経ちますが…自閉スペクトラム症(ASD)・ADHD(注意欠如・多動症)・学習障害(限局性学習症、LD)といった具合に、30年前には無かった『名称』が付きました。当事者として改めて感じることですが、これは子どもの為の名称ではなく、親の不安を取り除いたり、理解の範疇を超える出来事に対しての道筋だったり、名称を付けることにより逆に安心感を与えたり、まわりと比べることの無意味さを突き付ける、大切で重要な法改正です。
今まで学んで思うことがあります。それは、子どもの特性に親がついていけない…という“だけ”のような気がしました。ただ、そのズレが非常に危険です。
そのズレを“わが子に合わせる”のではなく、“世間と合わせる”ことをしていたら、どんでもない災難が子どもに降りかかります。しかも、親自身が被害者と思っていたらもっと最悪で、早急に立ち止まり環境を変える必要があると感じました。
学んだことを、そのまま書き留めます。
同時に私の気持ちも記し、このようにアウトプットし更に学びを深めたいと思います。
ちなみに、学ぶことによりどんどん愛おしくなるのは最初から“そう”だと思いますが、確実に“お互いに”生きやすくなると思います。
さぁ、今日はどんな新しい顔を見せてくれるかな。
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☆★☆☆★☆もくじ
【子ども発達障がい支援アドバイザー】『サポート理論No.4』 | 我が子の特性に知り、適切な対応をする。コレだけ。
ADHD(注意欠如・多動症)
不注意の特徴として
- 忘れ物が多い
- 約束を忘れてしまう
- すぐにほかにもの(こと)に興味を持つ など
多動性の特徴として
- 熱中している時以外は、落ち着きがない
- 授業中でもふらふらと立ち歩いてしまう
- ずっとしゃべっている、多弁 など
衝動性
- 突然、物を投げたり人を叩いたりする
- 道路に飛び出す
- 順番が待てない など
注意欠如・多動症の特徴とサイン
◎幼児期…好奇心が旺盛、まわりの子どもと比べて活発で落ち着きがない事があります
- 気づきやすい特徴
常に動いていたり、手を離すとすぐにどこかへ行ってしまったりすることがあります。しかし、子どもは活発に動き回る傾向があるので個性や性格として見られる場合もあります。 - 集団生活や周囲との関わり
友達と遊んでいる時に気に入らないことがあると、物を投げたり人を叩いたりする行動が見られることがあります。トラブルが目立つようになる。 - その他の傾向
人なつこさ、大人にかわいがられることがあります。しかし、問題行動を繰り返すうちに、注意や叱責を多くなる傾向があります。
◎学齢期…授業中に静かに座って授業を受けられなかったり、最後まで集中して活動に取り組めなかったりすることがあります。
- 興味や関心の動向
先生の話を聞く場面でも、自分の興味や関心のあることに意識が向いてしまうので、授業中でもふらふらと立ち歩いたり、大きな声でおしゃべりをしたりすることがあります。
提出物などを忘れることも多く、さまざまな面で大人に注意される傾向があります。 - 身体が先に反応する
自分の状態を言葉で説明するよりも、体が先に動いてしまうことがあり、まわりの友達とトラブルも多くなる。
◎注意欠如、多動性に起因するその他の影響…集団生活において、問題行動や周囲とのトラブルが続いたり、整理整頓が苦手だったりすると、親のしつけに原因があると思われることがあります。さらに、学校の教師や同級生の保護者から責められると、親は周囲との摩擦を減らそうとして、子どもに対して厳しく接することに繋がりがちです。
- 不注意や多動性および衝動性に対しては
まわりに理解が得られることで、成長とともに落ち着いていくといわれています。 - 注意欠如、多動性の子どもは、自閉スペクトラム症の特性と誤解されたり、その他の精神疾患の特性が併存していたりする可能性もあります。
ちゃんと理解するために、専門家の診断を受けることが効果的な場合もあります。 - 適切なサポートがなく、子どもが怒られている毎日を過ごすと
二次的な問題(二次障がい)に発展する可能性が高くなります。
本田先生曰く、これらは発達障がいは障がいなので、注意して直るものではない。とのこと。
◎学び
私的には『注意して直るものではない』というのが、衝撃的でした。じゃ、どうするか?ですよね。
忘れ物が多い⇒確認の密度をどんどん濃くしてゆく。学校から帰ってきたら確認、学校でメモを取る。朝の確認など。
約束を忘れてしまう⇒一つだけに絞る。例えばごみを捨てて欲しい時は、先ずゴミの近くに移動してもらう。それまで待つ。そしてゴミを拾う動作をしてもらう。待つ。ゴミ箱まで移動してもらう。待つ。最後に捨ててもらう。という具合に『あそこのゴミを捨てて!』では指示が不明確で複雑なことを親が知ることなんですね。
すぐにほかにもの(こと)に興味を持つ⇒最初から気になりそうなモノを排除する。集中できるような環境を作るだけ。
注意して何度もやらすのではなく、出来ないのなら、出来るような道筋を作るのが役目だと知りました。ただ、これらは子どもに直接手を出すわけではないので、甘やかしている訳ではありませんのでご安心ください。
学習障害(LD)…様々な定義がある
- DSM-5…限局性学習症、限局性学習障害という名義で定義される
・読字の障害(文字を読むことに困難がある…ディスレクシア)
・書字表出の障害(文字を書く動作(書字)に何らかの問題が生じる…ディスグラフィア)
・算数の障害(数字や数式の扱い、推論が苦手…ディスカリキュリア) - ICD-10…学力の特異的発達障害として定義される
・特異的学習障害
・特異的綴り字(書字)障害
・特異的算数能力障害 - 文部科学省の定義
・聞く、話す、読む、書く、計算する、推論するなどの特定の習得と使用に著しい困難を示す
・学齢期に顕著化するが、学齢期を過ぎるまで明らかにならないこともある
学習障害の主な特性
知的発達に遅れがないものの、読む、書く、計算する、話す、推論する、などの特定の能力につまづきや困難が生じる状態をいいます。
また困難の状況によって、
『ディスレクシア(読字障害)』
⇒正確に読めない、時間がかかる。キャやショなどの拗音や、助詞の『へ・ハ』を適切に読むことが出来ない。読めても、意味を理解することが出来ない。
『ディスグラフィア(書字障害)』
⇒文字を書くのに時間がかかる、雑に書く。句読点を書かない、打つ場所を間違える。文字が枠からはみ出る。
『ディスカリキュア(算数障害)』
⇒数の概念が理解できない。計算が遅い、ひどく間違える。文章の形式になっている算数問題が苦手。
とよばれることもあります。
学習障害の特徴やサイン
1,幼児期…就学前なので症状が現れにくい。サインに気付くケースもある。
- ひらがなを鏡文字でで書く
- 枠や紙から書いた文字が飛び出す
- 数字の理解や数え方の理解が遅い
- 何度教えてもすぐに忘れる
2,学齢期…学習時にサインが見られることがあります。
- 教科書を読むのに時間がかかる
- 文章を読んでも理解できない
- 計算をひどく間違える
⇒これららまわりの大人からみると『不真面目』『努力が足りない』と思うことがあります。
他の子と同じ方法では、努力しても効果が表れにくいのです。
学年が上がると、自信が無くすこともあります。
自分を理解してくれる人がいないと二次被害、二次障がいを引き起こすこともあります。
二次障がい
・明確な定義はないとされています。
発達障がいやグレーゾーンの子どもの特性が、まわりの人に十分に理解されないことや周囲の間違った対応が継続された結果、子どもの心身に起こる二次的な問題や障がいを『二次障がい』として考えていきます。
・発症時期
幼児期以降に起こることもありますが、思春期に発症することが多いといわれています。
第二次性徴による性ホルモンの急激な増加が、思春期の子供のトラブルを起こしやすくしている面もあると考えられています。
・原因となる発達障がいの状況
成長や成長に伴う生活環境の変化、発達障がいやグレーゾーンの特性が影響し合い、日常生活に悩みが出てくれることもある。
- 自閉スペクトラム症の場合…わがままな人と捉えられる。孤立する時間が増える
- 注意欠如、多動症の場合…怠けている人、努力が足りない人だと思われる。多動症の場合集団行動になじめないことを、親や先生から叱される
- 学習障害の場合…努力や練習が足りない人、と思われることがあります。
・二次障がいの発生
先ほどの1~3のようなつまづきを繰り返し、次のような環境や対応が続くと、子どもは心のバランスを保つことが難しくなります。
- 親や大人からの叱責など(誤対応)
- 周囲から理解が得られない(無理解)
- まわりの友人や大人と良好な関係が築けない
『もともとの特性』+『環境と関わり』=二次障がい
・学校での二次障がい
障害特性によるつまづきや失敗が繰り返され、学校生活に対する苦手意識や挫折感が高まると、心のバランスを失い、精神的に不安定になり、様々な身体症状や精神症状が出てしまう等、更に悪化してしまう場合があります。
二次障がいへの対応
- 内在化障害…不安。うつ。強迫性障害。など
- 外在化障害…不登校。暴力。ひきこもり。など
もともと持っている特性(発達障がいやグレーゾーンに起因する1次的な障がい)との区別が難しい場合があります。
しかし、どちらにしても、子どもの特性や困り感を理解して適切に対応していくことが必要です。
二次障がいの兆候
二次障がいは小学校高学年以降に多く見られますが、低学年でも見られることがあります。
癇癪が頻繁に起きたり、何に対してもやる気がないように見えたり、自己否定の言葉を発することが増えたりするなどです。
サインを感じたら、見逃さない事。
発達障がいは直そうと思って直るものではないが、二次障がいは防げる!絶対に防がなければならない。
- 子どもの特性を理解しているか
- 子どもを必要以上に頑張らせてはいないか
- 子どもと信頼関係を築けているか
発達障がいやグレーゾーンの子どもは、まわりの友達に比べてできないことや成長の違いに気づき、親が考えている以上に傷ついていることがあります。それに二次障がいが加わり、周囲からますます否定的な目で見られることが増えると、悪循環に陥ってしまいます。
二次障がいの予防と発症時の対応
子どもの特性を理解し、環境を整えてサポートし、少しづつでも成功体験を積み重ねることが必要です。
既に二次障がいが出ている場合は、子どもとの信頼関係を取り戻すことが重要です。
必要であれば、専門医に相談しましょう。
発達障がい児の現状と課題
- 問題行動
忘れ物が多い。授業中の離席。友達とのトラブル。やる気がない。授業に集中できない。字が汚い。など
一見すると、子ども本人の努力や怠慢、性格が原因だと捉えられやすく、教師も親も「本人の努力が足りない」「本人に言い続ければいつかは直る」と思ってしまうかもしれません。
結果として、子どもに対して十分な理解がなされず、誤対応が長く続き、自己否定や不登校という二次障がいに繋がる可能性があります。
特別支援教育と合理的配慮
合理的配慮とは、『障害者差別解消法』のキーワードでもあります。この法律は『障害のある人もない人も、お互いにその人らしさを認め合いながら、共に生きること』を目的とし、障がい者に対して差別のない社会を目指しています。
合理的配慮とは、障がいの有無に関わらず、子どもが受けられる必要なサポートや配慮のこととなります。
学校での合理的配慮の導入
学校では「みんなと同じことを頑張らせる」という風潮がまだ残っているかもしれません。
先ずは、子ども本人が困っていることを聞き取り、どのような配慮があれば困難や不安が軽減されるのかを考えてみましょう。
また、子どもが困っていることが言葉で表現できなくても、困っている行動を観察して配慮するようにしましょう。
導入のステップ
- 子ども、または保護者から学校に相談する
- 子ども、保護者と担任の先生(学校)と話しあう。(特別支援教育コーディネーターなどを含む場合もある)
- 必要な配慮やサポート内容の検討を行い、双方が合意する。(校内委員会での検討、指導計画などに反映する)
- 3の定期的な見直しや改善を行う
実際の合理的配慮の方法や工夫をしてみたり相談する
- 忘れ物が多い場合
持ち物を連絡帳に書くのではなく、ランドセルのカバーにチェックシートを張る
文房具などのスペアを用意しておく - 給食が食べられない場合
においに敏感で、教室で食べられない。⇒別室を用意して子どもの感覚過敏に配慮する - 授業中に離席してしまう
後ろの席ではなく最前列にするなど、座る位置や座席を工夫する - 勉強面で困難がある
教科書の拡大コピーをしたり、タブレット端末の利用などを利用してみる
問題行動の原因と現れ方、対処法
『身辺自立』とは、身の回りのことが自分で出来るようになることです。
着替えや食事、排せつなどは、健常の子どもにとっては当たり前に出来ることかもしれません。
しかし、発達障がいやグレーゾーンの子どもは、まわりの環境に刺激に影響されたり、声かけだけではスムーズに行動できない場合があります。
問題行動の現れ方
- 何度声をかけても行動に移すことができない
- 指示を聞かない、指示を無視する
- おろおろして行動できない
- 無く、怒る、固まる
親は、朝からイライラすることがあるかもしれません。
しかし、このような問題行動を繰り返す子どもには、なんらかの原因があると考えられています。
問題行動の原因
- 不器用さがあり、体がスムーズに動かない
- 「着替え」などの概念がない、または理解していない
- 着替える順番が分からない
- 指示が曖昧で抽象的である
- まわりの刺激(テレビなど)が気になって集中できない
- 縁や学校に行きたくない気持ちがある
走らないで!ではなく、歩いて!と具体的に言う。「着替え」や「早く」といった言葉は、抽象的で曖昧なものです。一連の行動一つひとつに分解し、できたことを伝えていきましょう。これが小さな成功体験となり、積み重ねとなる。
問題行動を解決させる、事前対処
- サポートして成功体験を重ねる
子どものつまづきをサポート(手伝い)をするのが大切。
手伝うことは子どもの自立を妨げるのではないか!?と考え、サポートに抵抗を感じるかもしれません。
しかし、手伝うことによって『適切な方法』を教えられ、子どもがスムーズな行動に移せる場合があります。
※ポイント※
1,子どもは必要な動きを理解して、スムーズに行動しているか?
2,クリアする課題はひとつになっているか? - 具体的な声かけ、指示をする
子どもに声をかける場合は、『一つの行動につき、一つの声かけ』にするなど、肯定的で短く、絵に描けるような具体的な指示を出しましょう。
※ポイント※
1,声をかけるタイミングを考慮しているか?
2,具体的指示になるような声かけをしているか? - 子どもに合った視覚的指示を活用する
子どもがどこでつまづいているかを観察し、手順表やスケジュール表などの視覚的指示を活用してみましょう。
着替えなどの際、洋服に数字カードを置くだけでも、子どもにとって見通しになり、自発的に行動できるようになります。
※ポイント※
1,視覚的指示を子どもは理解しているか?
2,視覚的指示は子どもの目に入る場所にあり、気づいているか? - 環境を整える、整理整頓をする
自発的な行動ができない時は、まわりを観察し、環境を整えましょう。
子どもにとって気になる刺激を減らしたり、パーティションで区切るなどして行動する場所を決めたりすると、やるべきことに集中しやすくなります。
更に位置が分かるように整理整頓し、視覚的に指示することで、刺激による混乱を防ぐことができます。
※ポイント※
1,子どもの耳や目に入る刺激は多くないか?
2,子どもに感覚過敏(周りの匂いや音などの刺激にとても敏感な状態)はないか?
3,子どもがモノの位置を理解しているか?
問題行動を解決する事後対処
身辺自立ができない子どもに対して、親や支援者が事後対処で出来ることは特にありません。
つまづきを観察しましょう。そして、事前対処をする段階まで立ち戻り「事前対処するにはどのようなサポートが必要になるのか」を検討しましょう。
最後に
先ず我が子の特性を知り、適切な対応をし、お互いが生きやすい道筋を立てるところまで行けば、今までとは違う世界が確実に広がると信じています。
身も蓋も無い言葉に聞こえるかもしれませんが、時間が解決することもあります。
ただ…その時間が経つまではこのような知識を深め、理解し、共に歩みながら、時には協力者や友達に相談しながらゆっくり進んでいきましょう。
困った時は、あなたの市町村の役所に相談窓口があるので、迷わず行きましょう。もちろん私もいつでも相談にのりますよ。
ではまた。