【ハンターハンター】『絶対時間(エンペラータイム)』 | 全読者が感じたはず…「きたねぇ設定が出てきたぞ」と。それでも…
こんにちは、サチヲです。
冨樫義博の公式Xから漂う、“今年中に連載再開されそうな雰囲気”が出まくりまくっている今日この頃…いかがお過ごしでしょうか。
連載再開祈願として単行本1巻から、改めて読み返しながら『大好きな場面』だけを語ってきました本記事は、いよいよ『クラピカVSウボォーさん』に突入しました。
さぁ、満を持して!と、書きたいところでしたが…戦闘描写の素晴らしさは、きっとあなたはもう“読み飽きている”と思うので…ここは単純で超個人的な感想を一つだけアピールしたいと思います。
スポンサードサーチ
☆★☆☆★☆もくじ
【ハンターハンター】『絶対時間(エンペラータイム)』 | 全読者が感じたはず…「きたねぇ設定が出てきたぞ」と。それでも…読者離れなど皆無ッ!!
それが…『特質系(いま)の私の能力(ちから) 「どの系統の能力(ちから)も100%引き出せる」 絶対時間(エンペラータイム)!!』ですよ。
今まで“散々”念能力の複雑な仕組みや、万能なものは作れない説明を、キャラクターと一緒に読者の私たちも集中的に学んできましたが…この!9巻までの間で最高の戦闘描写であろう『クラピカVSウボォーさん』戦で、こんなチート能力(本来ではあり得ない現象、物語のバランスを無視した設定)を堂々と出してきたんです!
いくらキメ顔で「絶対時間(エンペラータイム)!!」と、言ったところで、読者から一発で「はぁ!?ナニコレ…冷めるんだけど」や「もう連載終了だから。こんなふざけた戦いを書いてんの!?」等の罵声を浴びながら、本誌から退場を余儀なくされるのが容易に想像できる…はずなのです。
しかし!冨樫が“それで”終わるような凡庸なマンガ家さんだと思いますか!?
実のところ、事実上『特質系』の正式な説明(この時のカリスマオールバックはまだニヤニヤしているだけで、情報が少ない頃)はコレが初めてですからね。
よく考えたら、5つの鎖は強くて汎用性があるように思えますが『緋の眼』の時以外は結構使い物にならないと思うのです。
使い物にならない…というか、旅団以外の敵に対して“そこまで強くない”と、普段から気軽に使いにくい、という話なのです。
注意として、コレを読んでいるあなたは「クラピカの念能力なんて、今更言わなくてもしってるよ」という前提で書きますので…ご了承くださいませ。
では、いってみましょう。
- 親指『癒す親指の鎖(ホーリーチェーン)』
⇒ウボォー戦では“緋の眼”だから強化系に属する『治す力』が100%でしたが、具現化系から2つも離れた強化系は60%しか治せませんから。
敵にやられたら半分ちょっと治す。またやられたら半分ちょっと治す。ってことをしながら、他の念慮力も使う…そんな戦い方をしていると変態紳士ヒソカさんに『容量(メモリ)の無駄遣い♥』と言われてしまいます。 - 人差し指『奪う人差し指の鎖(スチールチェーン)』
⇒この能力うんぬんの前に、『絶対時間(エンペラータイム)限定能力』が普段使いを躊躇させるのです。
エンペラータイムのリスクが『1秒発動し続けるごとに1時間寿命が縮む』ことが明らかになった現在、持続時間1分で60時間(約2日半)、10分で600時間(約25日)、1時間で3600時間(約150日)…24時間で10年ですよ。
「直ぐに使えばいいじゃん!」とはいかなく、王位継承戦でも分かる通り、実践において“タイミングよく使う”ことが重要になってくるのです。事実、能力を奪ったものの能力を使うのは1週間後の晩餐会…クラピカ自身も言っている通り「現実的ではないな…」という事なのです。
もっと厄介なことに、他人の盗んだ時点でエンペラータイムが発動。能力を使わない限り強制的にエンペラータイムが維持。結局、本編ではクラピカさん維持しすぎて9時間(3年半くらい寿命が無くなった…)も倒れてしまいましたからね。メモリの無駄使いどころではない、文字通り『命を懸けた』能力の一つなのです。 - 中指『束縛する中指の鎖(チェーンジェイル)』
⇒旅団専用能力なので、普段の敵につかえるはずもない。なぜなら、旅団以外に使えば即座に命を失うから。。なので、他の敵に使うなんてもってのほかだし、普段使いも出来るはずもない。 - 薬指『導く薬指の鎖(ダウジングチェーン)』
⇒これが、いちばん普段“目にしている鎖”です。が、しかし!強い敵には全く使えません。
銃弾を受け止めたり、鎖でなぐったり、探し物したり、噓つき(エンペラータイムの時だけ)を見つけたりと汎用性は高いですが、戦闘用とは言い難いのです。でも、安心してください。用途が違うだけですから。
ダウジングチェーンの本当の使い道は『操作系の能力者と思わせること』が最重要なのです。
クラピカは普段から“見えるように”ダウジングチェーンを指から腕に巻き付けるようにしているのは、戦略的に“ワザと”見せているのです。事実、ウボォーさんはクラピカ戦で“見えている鎖にしか気が回らなく”て、結果、『凝』を怠りチェーンジェイルに捕まり、強制的に『絶』の状態になりましたからね。更に、クラピカに煽られる始末…。 - 小指『律する小指の鎖(ジャッジメントチェーン)』
⇒対象者の心臓に鎖の刃を刺してクラピカが掟を定め宣告し、そのルールを破った場合、心臓は鎖によって潰され死に至るという能力。強力な強制力があるという事は…エンペラータイムの時だけ使えるという事です。「最初から刺せばいいじゃん!」という声が聞こえそうですが、基本的に小指は“コンボの最終段階に使用する”イメージです。
そもそも敵はじっとしてくれませんから、中指で拘束してから…ウボォーさんに「私(クラピカ)の質問に嘘偽りなく答えること」という掟を宣告して、小指を使って確実に殺す。
旅団以外の敵の動きを、戦闘中に止めるのは非常に困難でしょう。だから使いにくい。
ちなみに、チェーンジェイルの『旅団以外に使ったら死ぬ』というのは、自分の心臓に自分の念能力『ジャッジメントチェーン』を刺していますからね。これがプロの『旅団ぜったいコロスマン』の姿です。
いかがでしょうか。簡単に一言だけ書こうと思ったら…長くなってしまいましたね。すみません。
クラピカの強さは、クルタ族の特性である『緋の眼』と、旅団に対しての憎しみ。この2点が合わさっての“強さ”でもあるので、どうしても、旅団以外には…ただの鎖好きお兄さんにしか見えないのです。
と言って、クラピカというキャラクターを断罪するのは簡単なのです。
なのに…“もはや主人公”という地位にまで上り詰めたかと言いますと、クラピカの強さの本当の秘訣は…地頭の良さがずば抜けているからです。
ハンターハンターにおいて、いち早くご退場(負けたり、死んだり…)するのは、頭の悪い人(相手をなめる、未来を決めつける、都合のいい解釈、基準が低い、目先の出来事に振り回される、等々…)なのです。
以前のブログでも書きましたが、クラピカのチート能力を指している部分は…実は『頭が良すぎる事』だと、私は勝手に思っています。
クラピカの、準備力。状況把握能力。危機対応能力。煽り能力。どれをとっても、念能力頼りにはしていませんから。
だから!『能力の強さにかまけた雑魚キャラ』にはならないのです。
最後に
クラピカさん、一言よろしいでしょうか。…小学生ばりに直ぐに命かけるのやめてもらっていいですか?
私めも、昔は「絶対に命かけるぅ~!」とか、相手にも「えー!それって命かけれんの??」みたいなやり取りをしていましたが…あなたのはリアルですから。
ちなみに、クラピカの残りの寿命を知っているのは『奪う人差し指の鎖(スチールチェーン)』の『イルカさん』だけでしょうね。多分。
あのイルカ、相手の能力を教えてくれたりして…念能力の“それ”から逸脱しすぎていますからね。きっ念獣かなにかでしょう。と考えると、そんな念獣も作っちゃうクラピカはすごい人なんです。多分。
今日もウチに遊びに来てくれてありがとうございました。
ではまた。