(ハンターハンター ©冨樫義博/集英社)
こんにちは、サチヲです。
元々は軍事的な危機 (戦争や侵略など) を指して使われていたのが 『有事』 です。
ちょっとだけ悪意のある言い方をすれば…カキン国の安全・秩序を脅かす重大な緊急事態をベンジャミンが自作自演で有事を起こしているのが、現在の状況…と言っても過言ではないと思っています。
更に、自ら興したその 『有事』 を、自ら鎮圧する。ショットガンで。
そうです。
私め…先週のブログで、がっつり 「グレネード使って…」 とかなんとか言っちゃってましたが、正真正銘の 『恥ずかしめ妄想』 でした。
まさか、あんなオープニングで丁寧に分かりやすくダイナミックに描写してくれるとは…冨樫よ…教えてくれてありがとうございます。
【ハンターハンター】『No.417◆有事』 | ベンジャミン様の全ての軍事行動は、現実世界でも似たようなコトが起こっているのです。そんな冨樫からのメッセージが平和慣れした私にどう届くのか!?

先にコレから片付けていいでしょうか。
え!? ベンジャミン様がおっしゃられた通り、見たままと言いますと…
第4王子私設兵・サルコフ : 「傲慢さに満ち溢れたカン違い男・ベンジャミン様が、一発で相手の 『生殺与奪の権利』 を掌握できる武器・ショットガンを見せびらかしながら、個人的に嫌いな人の悪口を言いながら嫌いな人の腹にぶっぱなし、更に悪口を言いながら嫌いな人の顔を笑顔で踏みつけました。 最後は饒舌に嫌いな人の悪口を言いながら満足そうに帰りました。」 (早口で)
…こ、これでよろしいでしょうか。
はい。
もちろん許されるはずがありません。
独裁体制下では 『見たまま=ベンジャミン様が言った通り』 でございます。
結果!サルコフは中央司法局へ送還となりましたとさ。
軍部を “すでに” 掌握しているベンジャミン様がB・H号の…ひいてはカキン国の完全掌握への道筋は、なにも武力だけでは終わりません。
大切な財政 (経済・資源の分配権) に手を付ける前に、最優先で中央司法局を落とすことです。
何故か?
強権的な独裁国家において、中央司法局を抑えることこそが王道であり、極めて現実的かつ賢明な権力掌握の手順だからです。
その行動と意味を考えると…なぜか “冨樫からの無言メッセージ” だと受け取ってしまう私がいるのです。
第一に 『政敵の合法的排除』 が可能になる
共産主義国家や独裁体制において、政敵を排除する最も洗練された方法は、暗殺ではなく 『法に基づく処罰 (国家叛逆罪や腐敗・汚職罪など)』 です。
実名は出しませんが、現実の世界でも “同じようなコト” が度々ニュースで流れるので聞いたことがあるのではないでしょうか。
(ちなみに、暗殺という手段を取ってしまったばかりに国際社会から見放される…そんなお国も近くにいますよね。これ以上話すと話がズレてしまうので戻します。)
最大の利点として、司法を押さえていれば 『自分に都合の悪い人物を合法的に逮捕・処刑・失脚』 させることができるのです。
しかし。
いくら合法的手段でも、国民が “さすがに納得できない” ような強引な手段は、国内のみならず国外に対しても悪印象を与え、下手をしたら他国からの制裁など後々に面倒なことになります。
事実…。
- ベンジャミン様も 『特殊戒厳令』 を“誰の意見も聞かずに”、一存で決める。
- ツェリードニヒ第4王子という 『政敵』 に対して、有無を言わさずにショットガン&フットスタンプで息の根を止める。
このような強引な手段に対して、司法権力を握れた暁には…
「あ。 これはNe。すべて法に則った正当な執務なんだYo!」
とポップに正当化できるのです。
同時に! 安易に 『暗殺』 をしない理由は 『クーデター』 とみなされるからです。
特に、今回のような 『軍事クーデター』 こそ国内外に大きな反発を生みます。
だからこそベンジャミン様は、B・H号の皆様に対して司法の手続き (憲法解釈の変更や法手続きの順守) を経ることで… 「これは正統な権力移転ですYo~♬」 と言うために、中央司法局を目指すのです。
この妄想はまだ続けます! 独裁国家を作る時の隠し味。それが 『最高裁判所の有名無実化』 デス。

ベンジャミン様 : 「我々軍部も司法省へ移動し 裁判室のある7Fを総合本部とする!! オレが到着するまでに制圧準備を完了しておけ!!」
制圧準備後にすることは、今まで話したコトです。
ココからは、蛇足になります。
(面倒なお話なので飛ばしてもいいですよ。)
まず 『有名無実』 とは “名ばかりで実体がない” という意味で、法制度上は憲法判断や行政・政治の監視を行う 『最高司法機』 として存在しているものの、実際には権力者や与党の言いなりになり、政府の違反行為をそのまま追認するだけの 『お飾り(イエスマン組織)』 に変質してしまう状態を指します。
たとえば現実世界でも…
- ポーランド(2010年代半ば〜) : 司法改革による最高裁の支配
⇒右派政党「法と正義(PiS)」政権下で、最高裁判所判事の定年を強制的に引き下げ、現職判事を追い出した上で、自党派に近い判事を大量に補任する法改正を実施。 - ベネズエラ(2000年代〜):最高裁の「与党化」
⇒チャベス政権およびマドゥロ政権下で、最高裁判所の定員を拡大(20人から32人へ増員)し、判事全員を政権支持派で埋め尽くした。 - ハンガリー(2010年代〜):憲法裁判所の権限縮小
⇒オルバーン首相率いる政権が憲法を改正し、憲法裁判所が「予算・税制」などの重要政策に関する憲法違反を審査する権限そのものを剥奪した。
さて。
それぞれの結果は “愚者は経験に学び 賢者は歴史に学ぶ” という、おばあちゃんの知恵袋に従うとして…冨樫は、蟻編でもそうでしたが “現実にあるコト” を物語に織り込むことで、私の心を揺さぶってくるのです。
決してここで、私のクセの強い政治思想を語りたいわけではありません。
もちろん冨樫も、マンガを通して自身の思想をアピールしたい訳ではありません。
冨樫は、読者に答えをゆだね、尚且つ! 自分で考えるように仕向けるのです!!
ハンターハンターは全世界で読まれています。
言葉は悪いですが…平和慣れした日本では想像できないかもしれません。
あっちがいい!こっちがいい!
ではなく…マンガを通してその場に立たせる。 (当事者にさせる)
「そんな現実を知ったうえで、あなたはどう考え、どう行動し、どう伝えていきますか。」
と、言われているようにしか思えないのです。
私め、冨樫の信者すぎて…どうかしちゃったかもしれません。
ただ…ベンジャミン様が粛々と、各王子に対して行動している姿をみると…なんだか笑えないんですよね。

2人に戦闘の基本 『凝』 を強制し、ベンジャミン様が軽快に語りだした、ポップでキュートな3つの漫談タイトルがこちら…
- カミーラ私設兵の呪い…不可持民の秘技を私は見た♬
- TSKに感染して余命半日の巻☆
- ビヨンドがヒュリコフにかけたという不可持民以上の強力な呪念もあるかもNe、そうかもNe!
このタイトルを紹介した後に、間髪入れずに言ったセリフが…
ベンジャミン様 : 「ワクワクするな?」
です。
この圧…この有無を言わせぬ、圧力をあなたは現実に受けたことはありますか!?
もちろんコベントバとバルサミルコの2人は 「…」 と一瞬戸惑いましたよ。
しかし! この戸惑いの時間こそが命取り。
2人は声を合わせてノータイムで言います…
コベントバ&バルサミルコ : 「ハイ!」
何が怖いかって…私め、思い出してしまったのです。
その昔、国とまでは言いませんがこのようなシステムの会社に入社したことがあります。
私め、いわゆる王道且つ基本に忠実な 『ブラック企業』 という名のシステムに組み込まれていたのです。
ネタではありませんが、事実…上司に対して返事は「ハイ!」か「かしこまりました!」しか言えない…というか、許されない…というか口答えと見なされる…。
返事が遅いだけで、その後もっと激詰めされてしまう未来が容易に想像させてもらえるので…兎にも角にも、自分の意志とは関係なく 「ハイ!」 と答える。
本当に、コベントバとバルサミルコの2人の気持ちは分かります。
さぁ。
もうこうなったら、ベンジャミン様のそばを離れることは許されません。
文字通り “死ぬまで” お供する…そんな覚悟を2人から感じたのです。
最後に
独裁と司法局の掌握は非常に相性がいい…と言うよりも、司法を自分色に染めてこそ初めて独裁は完成するのです。
資本主義でみられる 『三権分立』 なんて、いちいちしていたら独裁国家なんて作れませんからね。
振り返ると…ベンジャミン様の初期段階の行動は“独自のノウハウ” かと思いきや、意外にも 『強権的な独裁者による司法の私物化』 という王道の権力掌握パターンででびっくりしました。
さて、ぼちぼち守護霊獣の能力も開示されてきましたね。
いよいよ “分かりやすい能力バトル” が繰り広げられるのでしょうか…?
いや。
冨樫はそう簡単に魅せてはくれないでしょう。 喜ばしてくれたりしないでしょう。
だからこそ好きなんです。
ではまた。
