【鈴木みのり】『風は予告なく吹く』 | 好きな人とずっと一緒に歩いていくことが出来ない現実。それは逃れようの出来ない運命
★布教 ♬音楽最高 バンドアーティストの感動(邦楽) ワルキューレ(マクロスデルタ)
こんにちは、サチヲです。
フレイアが小さなころから大好きだったワルキューレに入れて、そこで大好きな歌を歌えること。
そこで感じたワルキューレメンバーに対しての感謝。そしてハヤテに対しては、色々な感情が詰まった感謝を綴った曲『God Bless You』。
そんな初めて感じた様々な感情の先に、「それを無くしたくない…」「もっと一緒に居たいんだ」という、ひとりの少女が当然に想うことを…願っても叶わない…実現できない訳があるんです。
常に物語とリンクし続ける鈴木みのりの表現力の進化は、次の段階へと進むのであった。
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☆★☆☆★☆もくじ
【鈴木みのり】『風は予告なく吹く』 | 好きな人とずっと一緒に歩いていくことが出来ない現実。それは逃れようの出来ない運命が目の前に立ちはばかる。それは…
(『風は予告なく吹く』 / 作詞 – 坂本真綾 / 作曲・編曲 – 北川勝利)
- ウィンダミア人であるフレイアは老化が非常に早く…平均寿命は30年と言われている。
⇒老化の証として、皮膚に所々ひびが入って白く剥がれる現象が起こるのも特徴的。
「フレイア・ヴィオン15歳♪ リンゴがだぁ~好きニューフェイス!風に乗って歌うんよ ルンがピカって踊る~んよ!」と『ようこそワルキューレワールド』で元気いっぱい笑顔がはちきれんばかりで歌ってた時は、「まだまだ若く、歌姫としてこれからだね!楽しみッ!!」と、謎の上から目線で応援していましたが…マクロスΔの物語が進むにつれてウインダミア人の設定を知った時は「これ、、、最後泣いちゃうやつじゃないのぉ~」と思っていましたが、途中でもう泣いてしまいました。
だって、実はもう…人生折り返し地点にいたんですよ。
フレイアが気になるハヤテ・インメルマンは17歳。2歳差か…と思いきや。
人間なので平均寿命は80歳以上でしょうか。フレイアとの生きる時間の差があり過ぎるんです。
初めて知った『好き』という気持ちを、どう消化していいかフレイア自身にもハヤテでさえもどうしたらいいか分からない。
物語は、ウインダミア人の宿命に対して…二人の葛藤に拍車を、静かにかけていくんです。
『30年に一度の星座が近づいている 眠りたくない あなたの隣で見届けるまで』
と、最初の歌詞にある通りフレイアの願いはハヤテと“ただ”一緒に生きていたい事なんです。そんなささやかな願いなんです。
でもね…次の英語のバックコーラスに『can you hear my heart』と続くのですが、これは「私の心の声が聞こえますか」と訳せます。
このように、フレイアは声を大にして「ずっと一緒に居たい!」と言いたいにに、心の中でしか言えないんです。
だって、明らかに生きる時間が違い過ぎるから。だって、それを“そのまま”ハヤテに言えば負担をかけてしまうから。
それをでも、確かに叫んでいるんですッ!
フレイア曰く。「きっとハヤテは、『一年が 一日が 一瞬が 何秒かなんて考えたことないでしょ?』」と心の中で聞く。
そして『Don’t tell me now』とサビで、「今更そんなこと言わないで…突きつけないで!」と、自問自答します。それは…
『次の流星がいつかなんて知りたくもない』 という、年月が経っていく事象なんて見たくもない…
『これが最後になっても悔やみたくない』という、自分が生きている…私たちは生きているという事実をうやむやにしたくない…
自分の運命に向き合おうとするも、それが出来ない、したくもないという葛藤を表現する。
そう。ウインダミア人の運命の風は…予告なく吹いてくるんです。
寿命という、どうにもこうにも抗うことの出来ない運命に対して怒りにも似た『Don’t tell me now』が、最後にたたみかけます。
「なんで!?せっかく好きになった人とずっと一緒にどうして居ることが出来ないの??」
「初めて好きになった人に、私の大好きな歌を届けたいッ!それは…ハヤテが私の歌を必要としてくれたから!」
「私は好きな歌を歌いたい!1分でも1秒でも長く…」
そんな現実と折り合いの付けられないフレイアの“好き”という純粋な気持ちの機微を、みのりんごは曲の全ての構成を通して立ち居振る舞いと歌の技術で表現しているんです。
だから、みのりんごの“ライブがヤバい”んです!
何度でも言いますが、みのりんごの真骨頂はライブで歌以外の表現です!
目線、絶妙なタイミングでバルキリーのサインを手で表現したり、全身を使って歌の世界を私たちに伝えてくるんです。
特に!『God bless you』での考察の通り、悲しい歌詞の時のみのりんごは“あえて”笑顔で歌うんです。。それを見るだけで私は胸が絞めつけられ…苦しくなるんです。
フレイアの歌に対して前向きな姿勢と、ハヤテに対して好きという気持ちを“まだ”声に出せない不器用な感じを表現しているんです。
いやはや!歌詞を書いた坂本真綾大先生は凄すぎます!!
まだ1番ですが、こんな調子に物語の流れとフレイアの気持ちの流れを同時に組み込んだ歌詞がずーーーっと続くんです。
それを、みのりんごの武器である“物事の本質を見抜く力”を存分に発揮して、目の前にフレイアが本当に存在しているかの如く演じきるのです。
なんせ、坂本真綾さんに関して言えばみのりんごはゴリゴリのファンであることは公言していますし、ファンクラブにも入ってライブにお母さんと一緒に行ってたくらいですからね。
「いつか坂本真綾さんに歌詞を書いてもらいたい」という夢も叶いましたね。
そんな感じに歌いきるものだから、CD音源で完成された音楽と思っていましたが…まだ先があるんです!
みのりんごが“感情おばけ”と言われる所以はライブなんです!
先ず、笑顔を封印したみのりんご。フレイアの運命に対して、みのりんごが真摯に向き合っている表情に引き込まれるんです。
他の曲にも言えることですが、みのりんごはライブ時に曲の世界観を表情や仕草で表現するのがうまいのは先ほど説明した通り。
「じゃ歌はどうなの!?」と聞こえてきそうですが…安心してください。みのりんごは歌もうまいんです。だから凄いんです。
技術的な事を言うと、特にビブラートのタイミングが素晴らし過ぎるんです。CDとはいい意味で全く違います。
ビブラートは感情の揺れを表現することも出来る歌い方の一つでもあるんですが、例えば…
『一年が 一日が 一瞬が 何秒かなんて』は細かく直ぐにビブラートをかけているんです。
それは、フレイアが一つひとつの月日を受け止めきれない気持ちの揺れを表現しているのでしょう。
そして、次の…『考えたことないでしょ?』の『しょーーー』の部分は、しばらくストレートに声を伸ばしているんです。
でも、頃合い良く『しょーーー~~~~』と、ビブラートをかけてくるんです。(伝わるかな(笑))
このタイミングははっきり言ってセンスです!他の人が同じようにやっても印象は違います。
こればっかりは、みのりんごだけが持っている個性であり、曲との向き合い方であり、その表現力が魅力に繋がっているんです。
もっと更に言うと、『しょーーー~~~~。』と音を切っているんです。
これは表現というか…曲がそもそもそうなのですが、ライブ時はもっと分かりやすく音を切っているんです。
これは、「考えたこともないでしょ?」と言いたいのは山々だけど、「言ってもしょうがない…」というハヤテにではなく自分の責任にした、重い決意でもあるんです。
最後に
毎回お断りしておきますが…これは私が勝手に解釈した内容です。
だって、みのりんごに対するリスペクトが止まらないんですよ。
次は、いよいよ『愛してる』です。
ではまた。