【不適切にもほどがある!】『八嶋無双の名を欲しいままに…』 | 同時進行される複雑なシナリオなのに、こんなも考えずに…
こんにちは、サチヲです。
ネタバレしていますので…お気を付けくださいませ。
とは言え!このブログを見ても本編のドラマを楽しめるように、最低限のネタバレで語りますね。
脚本の力、俳優の力、演出の力、それらを“テレビドラマ”というハイリスクローリターンのメディアに落とし込むチーム力。
「テレビはつまらなくて…終わった」と言われていますが、私自身もテレビに期待するのをやめたくちです。
しかし、“終わった”と言うならば“始まった”時もあるでしょうよ。このドラマでは“ソレ”を1986年に設定し、現在の常識と当時の常識を“あなすことなく”表現し、現在では確実に○○ハラスメントに該当する行為を“演出”と称し、胸を張って堂々とエンターテイメントに昇華しているのです。
しかも!「昔はよかった」や「今の方がいい」という、いわゆる『説教ドラマ』になっていないのです!!主人公の阿部サダヲはあくまで『話し合いのキッカケ』を促していて、決して解決を目指しているのではなく、話し合い(今回は時空を超えたミュージカル)によって溜まっていた愚痴や意見を交換させ、相手の考えに従わせるのではなく、相手の考えを知るキッカケを与えている。
この難しい役は阿部サダヲ以外あり得ない!と思えるくらい、人間味あふれる目が離せないキャラクターを演じているのです。
その結果…解決する人もいれば、相手のことを知り溜飲したり、そのまま変えずに生きていく気力が出たりするのである。前回も話したが『話し合った履歴が残る』という事である。
これがドラマの本筋だとは思うが、そこにプラスされるのが『対比される親子愛の在り方・子どもの成長に対して正解の無ささ加減・ディストピアを作りたくて今の時代を作ったのではない、というジレンマ・コミュニケーションの答え(正解不正解ではない…)を見る側にゆだねる試み』これらが、同時進行で行われているのです。
でも、「小難しいドラマだなぁ…」とは思えないのです!
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☆★☆☆★☆もくじ
【不適切にもほどがある!】『八嶋無双の名を欲しいままに…』 | 同時進行される複雑なシナリオなのに、こんなも考えずに…楽しめるとは!!
この3話を見た“あなた”に実際に見て感じて欲しいのですが、“私は”今回のシナリオと演出にはいい意味で『悪意に満ち溢れていた』と言わざるを得ません。
要するに、大笑いしました。久しぶりにテレビを見て声を出して笑いました!
不条理に不条理を重ね合わせ、畳みかけて、ごちゃごちゃにしながらも「今は混沌としているが、これは一つの答えに向かっていくんだ」という安心感を1話目で示し、2話で盤石なものとして、3話目にして作り上げたモノを自ら壊すようなハイスピードな展開なんです。
これは、別に昭和を体験していない人でも楽しめるようにした“さじ加減”なんでしょうが、本当にいい塩梅なのです。
それを可能にしたのが、“分かっている人がキャスティングした配役”です。
あ。私は分かっていませんよ。ただ、分かっていない人が見ても「きっとそうなんだろうなぁ」とか「コレが芸能界なんだろうなぁ」という、業界人だけの目線ではなく、視聴者のイメージも壊さない配役なんです。
細かくは言いませんが、地味にうれしかった配役がこちら。
手前に秋津くん役の『磯村 勇斗』さん。井上さん役の『三宅 弘城』さん。この2人が同じ画角にいると、私には『サ道』というサウナー必見のドラマを思い出してほっこりしていました。
他のキャストも“分かっている”と思わしてくれるんです。そのトップを飾るが『ロバート秋山』です。
更に、山本耕史さんや…業界を知らなくても、もう本当に「そんな人がいるんだろうなぁ」と思えるキャラクターが沢山出て、めちゃくちゃ現実的なセリフで畳みかけるのです。
もう、それが気持ちよく楽しめるのです!
後、このドラマの魅力の一つに『難しい設定はすっ飛ばす』ことをするんです。
ある意味、登場人物たちはタイムマシンやら別次元の人たちに対して理解力があるというか“聞き分けがいい”のです。市郎が未来から過去に戻ってきてもその描写も“ほどほど”に、帰ってこないと思っていた市郎が急に帰ってきても他の人たちは“ほどほど”に問い詰め、話を先に進める。
しかも、細かい説明をすっ飛ばしたのに、後から整合性はしっかり合わしてくるのです。
例えば『タイムパラドックス』については、「ビリビリッ!ってなるんです」とだけ説明しているのです。でもしっかり本編で「ビリビリッ」ってなってるのです。もちろんその時も説明は無しです。そのまま話が進むのです。
まぁ、多分来週のネタ(クリフハンガー)になると思いますが…だから、“また”来週のテレビが楽しみなのです。
最後に
このドラマのポイントとなるセリフで締めたいと思います。
「あの子たちも親はいるのよ。他人の娘はやらしい目で見るのに、自分の娘が好奇の目にさらされるのは許せないのね」
この言葉が“どこ”で出るか、楽しみにしてください。
あ!更に私の好きなセリフも聞いてください…
「どんな人かは知らないけど… その人とは手つないだり、抱き合ったり、チョメチョメしたり出来るんでしょ。いくら好きでも 死んでる人と生きてる人は対等じゃないし 比べたら失礼…そんなのどっちにも失礼だよ」
さて、誰が言っているのでしょうか。是非、見てください。
という事で、ティーバーでこちらから見ることが出来ます。
ではまた。