【ハンターハンター】『戦闘無し!修行無し!』 | オリジナル且つ多彩な設定の上に、地味な会話と動きの少ないページが…
こんにちは、サチヲです。
最近、読み返すポイントが多くて…やっと当初のポイントである『ヨークシン編』に戻りました。
正確には『ヨークシン編』に行くための“つなぎのエピソード”『ゼパイルさん編(勝手に命名)』ですね。
長編モノでは“つなぎのエピソード”はつまらない。という風習があるのを聞いたことがありますか?あのワンピースでさえ、“つなぎエピソード”に『ドラゴンはルフィの父』という唐突びっくり強力情報たちを毎回ぶち込んできますよね。だから、“つなぎ”とて見逃せないんです。
さて、我らの冨樫はどう乗り切っているのかと言いますと…『あなたの知らない世界をひたすら魅せる』のです。要するに、ハンタの世界へどっぷり首まで沈めに来るのです。
その手段として、お分かりかと思いますが…『綿密に設定された情報を畳み込む』ことをします。ただ!これだけでは読者はついて来ない。
じゃどうするか。それは…こんな短く単調な物語に、冨樫は『勧善懲悪』というスパイスを忍び込ませているのです。
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☆★☆☆★☆もくじ
【ハンターハンター】『戦闘無し!修行無し!』 | オリジナル且つ多彩な設定の上に、地味な会話と動きの少ないページが…続くのに!なぜ、こんなにもワクワクを提供できるんだ。
こちらは『業者市』の概要説明になるのですが…前のページでは『オークションハウス』の概要説明。その前は、『値札競売市の現実』説明。その前は、キルアによる『値段の2.5倍』説明。その前が、レオリオによる『ネット競売の難しさ』の説明…という感じに、現実では似たようなモノは知っているが、ハンタの世界では初出の世界観が飛び出しまくるのです。
しかも、概要説明だけではなく…都度、会話でも『ルール』と『世界観』をねじ込んでくるんです。
そして気がつくと、喋っているのはいつも『おじさん』です。なんでしたら『86話』は、ゴンキル以外、おじさんしか出ていません。おじさんと子どもの作劇“のみ”で構成されている、少年誌とは思えない渋いエピソードなんです。のに!清々しい気持ちで、読めるんです。
もはや…「お前らならついて来れるよな」という冨樫の声が聞こえてきますよね。
ところ変わり、『骨董屋』に行きます。
まだ、地味なやり取りが続くんです。でも、大好きなエピソードでもあるんです。
何故かと考えた時…ゴンと一緒にハンタの世界を学び、吸収し、楽しんでいる!ことだと思いました。
ゴンは、物語の中で“唯一ナニも知らないキャラクター”になっています。これは、私たち“読者”も一緒ではないでしょうか。
要するに、ゴンキル(レオリオ)と一緒にヨークシンを冒険(街ぶら)している感覚になりませんか!?
一緒に高値で売るにはどうしたらいいかを悩み、一緒に『凝』を使って値札競売市を歩いて商品を探したり、一緒に壁にぶつかったり…という具合に、共に歩んでいる感覚に“させてくれている”んです。
しかも、この骨董屋さんの店主を狡猾な『悪者』に描くことによって…勧善懲悪の世界も描く!
ヨークシンには優しく良い感じの人もいました…というか、悪い人もいるんでしょうけど、描かれてこなかったんです。
これは冨樫に、完全に無防備な状態にさせられていたんですよ。
何事もなく骨董屋さんで換金するのかと思いきや…普通では見抜けなかった悪い行いを懲らしめる『勧善懲悪』の物語で締めているんです。
しかも、ゴンキル意外に裁かせるのではなく新キャラ『ゼパイルさん』に、ヒーローの如く登場させ、問題解決へと導くのですッ!
こんな気持ちの良いことはありません。なんせ起伏の少なく、常にローテンションの物語全体が“大きなフリ”となり、86話を見事に締めているんですからね!!
最後に
ゼパイルさんの『やったった感』の表情を見ながら、来月の連載再開を待ちましょうか。
今日も、ウチに遊びに来てくれてありがとうございます。
ではまた。