/>【ハンターハンター】『“強さ”の階段』 | 冨樫のキャラクターに対する愛情ともとれる…念能力を出すなんてもっての外!
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【ハンターハンター】『“強さ”の階段』 | 冨樫のキャラクターに対する愛情ともとれる…念能力を出すなんてもっての外!

1巻からの振り返り熟読 ★HUNTER×HUNTER

こんにちは、サチヲです。

ジャンプ本誌にて連載終了して、早2週間。こうして我々は…冨樫の絵を、冨樫のシナリオを、冨樫の情熱を触れられないことに“慣れていく”のですね。
変態カリスマサラサラヘアーの言葉を借りれば「……人とは 本当に面白いな」である。
あ。そろそろ“また”お断りを入れるタイミングなので…冨樫義博大先生に対して『冨樫』と呼び捨てにするのは、私めの最大の敬意であり親しみを込めた呼び方なので…ご了承くださいませ。

さて、格闘マンガでの『強さの証明』は、色々な表現があります。特殊な能力であったり、腕力でどれだけモノを壊せるか?を読者に見せるやり方がある。
たとえば、『刃牙』に出てくる花山薫の場合。
花山薫は、戦う前に『素手でスロットマシーンを破壊する』行為をした。これは、分かりやすい例の一つで…「あの固い塊を素手で!?…腕力は相当あるな」と、読者に具体的で分かりやすくイメージさせるのです。
さて、冨樫の場合は“何で表現”するのでしょうか。

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【ハンターハンター】『“強さ”の階段』 | 冨樫のキャラクターに対する愛情なのか…念能力を出すなんてもっての外!

(ハンターハンター ©冨樫義博/集英社)

それは『思考力』です。
戦いにおいての状況判断や、思考の瞬発力。言葉を選ばないで言いますと、ハンタの世界では『アホ』は直ぐに死にます。

しかも!ただ頭の良さを出すのではありません。
言語化が難しいのですが、『強さの階段の“段差”が細かくて繊細』なのです。
雑に2段飛びなんて描き方はしません。読者に対して、本当に少しづつ…しかし!以前より少し高い階段を作り、ゆっくり登らせる。『小出し』どころではない。最悪『一コマしか』出さない階段も作る時もあるのです。
しょうがありません。私たちは、冨樫の作る階段を上るしか選択肢がありませんから。しかも、喜んで登っていますからね。
そのように丁寧に作られた『強さの階段』をゆっくり登ることにより、私たちはキャラクターに対して、愛着を少しづつ育むことになるのです。

最新のノブナガを“知っている”から、すんなり言葉が入りますが…

(ハンターハンター ©冨樫義博/集英社)

「ノブナガは頭の回転が速い」や「ノブナガは理論的に物事が見れる」なんていうセリフは、他の旅団メンバーが言う事もなければ本人だって冨樫は言わせません
このページのように…キャラクターに頭の回転が速いエピソードや、理論的に物事が見れるエピソードが『キャラクターの強さの階段』となっているのです。
神の視点を持つ読者(登場人物より話のあらすじを知っている)は、勝手に「ノブナガの考察、合ってんじゃん…スゲェ」と思えるのです。
この『スゲェ』と思った時点で階段を1段上っている状態になるのです。

一方、マチについてはノブナガに対して逆張りの特徴を魅せます

思考を経ないで、感覚でモノを言う。
これは本当の戦闘になった時、「何をどう攻撃するかをいちいち考えている時間なんてもったいない!」と声が聞こえてくるかのようです。結果、その場その場の瞬発力によりスピード感あふれる戦いになる事を想像させてくれるエピソードでもあります。
しかも!これもまた神の視点を持つ読者には「え…。マチの勘、めちゃくちゃ合ってんじゃん!スゲェ」と、“また”知らない間に階段を上っているのです。

これらのエピソードの利点として、より一層キャラクターの細かい性格や人柄をしるキッカケにもなるのです。
ノブナガとマチは、それぞれ一長一短があるがお互いを補完し合える組み合わせなのです。
ここまでくると、鎖野郎を探す人選をしたカリスマ変態サラサラヘアーが如何に!人の上に立つ人間なのか。人を見る目があるのか。やはりクモの頭はクロロしかいない。と、思わせる。
なんでしたら、二重尾行まで“させて”いたのですからね。
結果、ここに登場していないキャラクターの説明までもしているのです。

最後に

冨樫は、一人のキャラクター説明を一人だけの情報で終わらせない。
そのキャラクターを動かし、喋らせることにより全体の説明をさせる時が往々にしてある。
難しいことに…キャラクターを使わないで『その場所』や『状況だけ』、もしくは『アイテム的なモノ』をポンと出して“分からせる”場合もあるから気を抜いて読むことは出来ないのです。
でも、“それ”が気持ち良くもあるのです。

今日も、ウチに遊びに来てくれてありがとうございます。
ではまた。