【アニメ】『NINJA KAMUI -ニンジャ カムイ-』 | これは…忍者アニメではない。ニンジャアニメであるッ!!
こんにちは、サチヲです。
ネタバレ有りです。
最初に興味を持った情報が、『監督である“朴 性厚”は劇場版 呪術廻戦0を作った後、独立して会社を立ち上げこのアニメを作った』です。この情報だけで、「あの人が作ったアニメなら…よし!見よう!」と思えました。
もちろん!呪術廻戦0の信頼性があったからこそではありましたが…結果、ニンジャカムイはめちゃくちゃ面白いです。
そもそも!朴 性厚監督の『忍者』に対するリスペクト…もとより『アニメ』に対するリスペクトは半端ありません。
よく、日本のコンテンツを外側だけ借りて、愛のないコンテンツに変貌を遂げる作品がある中…確実に!敬意を払った丁寧な作りをしながらも、忍者を『ニンジャ』に昇華した新たな解釈を魅せてくれた作品であることは間違いありません。
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☆★☆☆★☆もくじ
【アニメ】『NINJA KAMUI -ニンジャ カムイ-』 | これは…忍者アニメではない。ニンジャアニメであるッ!!完全に日本の手を離れた物語が、最高にファンタスティックだった件!!
最大の魅力は、全てが『分かりやすい』のです。
こだわればこだわる程…熱を入れれば入れるほど、分かりやすさから“かけ離れていく”ことになりかねないオリジナルテレビアニメ。
作品全体を通して言えることは、「まるで美しい映画を見ているようだ…」です。
いちばん分かりやすいのが『シナリオ』である。
極限にまで分かりやすくした物語は、過去何度も使われ続けてきた『復讐劇の構造』であり、ともすれば陳腐になってしまう。
逆に、奇をてらい過ぎてしまったら「なんで主人公は怒っているの?」状態にもなり兼ねない大事な要素でもあります。
しかし!ニンジャカムイは“それ”を見事に乗り越えました。
『もうみんな分かっている流れ』いわゆる『王道』でり『普遍的』でありながら、全く飽きずに見ていられる。それだけ、肉付け(キャラクターの立ち回り、構図、カメラワーク、戦いの魅せ方、等々)がずば抜けているからだ。
では、流れをみてみよう。
- オープニングではハデな戦闘描写で心を掴む。
→内容を伝える気がないくらいで丁度良い(カッコよさ、スタイリッシュさに全振りしているのが良き) - 絵に描いたような幸せな家庭を丁寧に描く
→ドアノブの指紋をいちいち拭き取ったりという『ん?』を忘れていない繊細さ - 不穏な流れを徐々に出す
→めちゃくちゃ分かりやすい『フリ』も清々しい - 唐突に災難が降りかかり、家族を徹底的に崩壊させる
→憎しみの原動力であり、生きる原動力を知ることになる - 物語後半に主人公の忍術を“やっと”魅せる
→これが、びっくりするほどかっこいい。(5話以降になるが、このカッコよさすらも捨てる(頼らない)所もスゴイ) - 満を持して、復讐劇がスタートする
コレを、きっちり1話で魅せるのです。
正直、幸せな家庭を見せるシーンは見ていられませんでしたよ。だって、絶対に崩壊するッ!って思えるくらい“分かりやすい幸せ”の演出でしたからね。
忍者の世界をニンジャの世界へ…新たな解釈とは!
古き良き日本の忍者に、 サイバーテクノロジーを融合させた…と言うべきか。言い方が悪いかもしれないがハリウッド映画化した成功例だと言えます。
日本のアニメですが、世界に売る気マンマンですよ。
OP映像では、ちゃんと『The アメリカ(田舎の方ね)』が分かりやすい絵(広大な土地にトウモロコシ畑…その奥には巨大なエネルギーコンテナを描くアンバランスさは本当にいい)だったり、曲も英語の歌詞えカッコいい!なんと名古屋出身のバンド『coldrain』というのも驚きました。
私の場合、OP映像はノンクレジットの方を見たくなるのだが…この場合“あえて”クレジット有りの方がカッコいいので、是非!見てください。
そして『忍者』と『ニンジャ』との、葛藤を見事に描いているのです!
簡単に説明すると、山路という悪役(こちらにも正義があるはずだが…残念な事にあまり語られていない。2期で語るかな)忍者に変革を求めて新たなステージへと導く存在と、古き良き忍者の伝統を重んじる忍者(結果、抜け忍扱いされる)との対立を描いています。
誤解を恐れずに言いますと、私は『山路』の考え方に共感します。もちろん手段は共感しませんが…それくらい、立場と役割を分かりやすく描いています。
これを会社で例えるとわかりやすいかもしれません。
会社を起業する。そうなると先ず、創業メンバーというのが存在します。
そして1年2年と経ち会社が大きくなる。その後、個人商店から脱却し、フランチャイズもしくは規模の大きな会社になる時、必ず出る軋轢があります。
それが創業メンバーと、中途メンバーとの『思い・価値観の行き違い』です。
きっと、このような環境に身を置いた経験のある人はいるのではないでしょうか。あえて清濁を合わせ飲む経営者…いるのではないでしょうか。
飛躍するための新たな考え方の導入に対して、守るべきは伝統であり、創業ルールなのか。必ず変革の時が来る。
大きくなるために守るべきものと捨てるべきもの。この価値観の違いが必ず出る。
まさに忍者もその分岐にされたのであろう。
さて、ニンジャカムイはどのような答えを出したのでしょうか。
最後に
まだまだ、見どころが沢山あるのです。
たとえば、エピソード5のクライマックスが複数の驚きを用意していて…いつものエンディング曲を流さないで、画面が黒くなり聞いたことのない曲が流れたと思ったら全スタッフのクレジットが流れる…まさに映画のエンドロールが流れたのです。…完全に映画のパート1が終わった作りなんです。1〜5話かけて一つの映画を撮っていたのですよ!
他にも、しばらく前からの流れですが…ハンターハンターのように技の名前をいちいち言わないのが良いのです!
もちろん文豪ストレイドッグスのように技の名前(たとえば…月下獣羅生門・黒虎絶爪 By中島敦&芥川龍之介)を極限にカッコよく言わせるのも有りですが、ニンジャカムイは前者の方法を取っているのも良きです。
今日も、ウチに遊びに来てくれてありがとうございます。
ではまた。