【ハンターハンター】『No.406◆神器・感想』 | 破滅へのカウントダウンと、更なるカオスになる実行日の木曜日に向け…
こんにちは、サチヲです。
完全にネタバレ有りです。ジャンプ本誌を読んでいない方は、そっと閉じてくださいませ。
冨樫の作る『ハンタの世界』で、身近に感じる設定…というかリアリティが増す描写が地味にお気に入りなのです。
それは、『意義を持つ非念能力者と、現実にある通常の兵器を出す』ことが上げられますよね。
“良い”、“悪い”の話ではなく、このような作品のテーマは作り込めば作り込むほどファンタジーの世界に寄ってしまうと思うんです。
念能力者に対して銃の有効性や、決して“強い”という理由だけで権力を持つわけでもなく、人間のおぞましさもしっかり描くストロングスタイルは“平和ボケした日本人”と呼ばれるようになって久しい私たちには少々キツイ描写になる場合も多々ありましたよね。
今回の冒頭ではシャ一家組長補佐であり、ルズールス私設兵軍事顧問『タハオ』曰く「二層の兵士は経験が浅い 若いのが多いから最悪撃たれるぞ」といった具合に、そこら辺のヤツに殺される可能性も“適宜”示してくる。(もちろん“それ”で旅団が倒されることは無いが…“通常ならば”を魅せてくる。更に、「オレ達なら大丈夫」的な発言を、いちいち旅団に言わせないのも良き)
この辺の作り込みは、さすが冨樫!といったところでしょう。
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☆★☆☆★☆もくじ
【ハンターハンター】『No.406◆神器・感想』 | 破滅へのカウントダウンと、更なるカオスになる実行日の木曜日に向け…主要キャラの動きを静かに鋭く推し進める。
そう!これがファンタジーとリアリティの境界線を無くす画力です…冨樫の文才もさることながら、設定が練り込まれているだろう造形に有無を言わさない『絵の説得力』は圧巻の一言です。こんな見開き1枚画を見たことがありません。
空想上のモノ・大きさ・機能なのに…「あぁ、こうやって動いているんだ…やっぱりそうだよね」と、自然に知ったかぶりを誘い込む。そして、スムーズに「そうなんだ」と思わせる技術には本当に驚かされます。
え…!?ところで、筒の真ん中はスプリングになってますよね。これはサスペンションのような役割で、B・H号が氷塊や障害物に当たった時に振動を吸収する。と思いきや、『生活排泄物をいたる所から垂れ流してるからな』とタハオが言うんです。えぇッ?あの筒は排泄物が通る道なんだ…と、理解していないのに、すんなり受け入れさせてくれるんです。いや、違うか??もはや私のような凡人には分かり兼ねます。
ここでも光る、ノブナガさんの考察!
ノブナガの考える『仮説』には本当に驚かされます。今の資源で、この環境で、どんな抜け道(可能性)があるのか。でも、ノブナガ“だけ”ではありません。
フィンクスとフェイタンは、一つの仮説に対して丁寧に肉付けしていくのです。
だから迷いなくノブナガは引き返せるし、フィンクスとフェイタンは信頼して任せながらもエイ=イのアジトを心置きなく叩きに行ける。合理的かつ、もう“その選択”が必ず合っているという確信にも似たスピード感を持って。
たとえ!“その選択肢”が間違っていたとしても、なんら問題がない…という安心感すら与えてくれます。
幻影旅団の実行部隊ともなると、いわゆる『バカ』では生き残れません。その証拠に…
部下には『幻影旅団が大好き』なことを隠している、シュウ一家の若頭・ヒリンギ兄さんとノブナガがアジトに先行した情報を共有した時、フェイタンは一瞬で対抗策の一つを出してきたのにはびっくりしました。
フェイタン曰く「多分、正当防衛なら大丈夫ね」とサラリと言い、まわりも「あぁ、そりゃそうか」という感じで驚きもしない。…ちょっと!カッコよ過ぎませんか!?。
たとえ“それ”が通じなくても、実際に対峙した時には戦いながら仮説を実行し、「違ぇじゃねーか!」と言いながら結果に対して加筆修正をしながら戦う姿が目に浮かびます。
前回のボノレノフに然り、旅団メンバー全員が『自分で考える頭を持っている』ことと『“それ”を実行できる実力がある』のです。要するに指示待ち人間ではないのです。
今回もノブナガから最低限の引き継ぎ(余計な情報はかえって邪魔)に対し、相当頭の回転が速い2人は、状況を理解し仮説を立てながら突っ込むことができる。
旅団の実行部隊ゆえに実戦での数多くの経験値を照らし合わせた考察は、たとえ初見の念能力と対峙(ほとんどが初見なのだろうけど)しても自分の優位性を保つ事と、相手の嫌がることをする選択肢の数が半端ないと思います。
『ハンタあるある』ですが、もれなく登場人物すべて頭が良い。なんです!今回はザクロ!!
シュウ一家若頭であるヒンリギ=ビガンダフノは、前回のやり取りで“頭脳”と“度胸”を持ち合わせているイカした兄ちゃんだったのが分かりました。
更に、構成員であるザクロ=カスタードまでも冴えているのです。実際に対峙した時は力の差が歴然でしたが、冷静になった時には深い洞察力を発揮するのです。
特に『限定』という言葉を使った考え方は新しいです。
ヒリンギ曰く…「オレ達は色々な可能性を考えなきゃならなくて敵からしたら有効だろ?」と、語ります。
それに対してザクロ曰く…「えーと 逆に限定したかったとか…?」続けて言います。「相手に様々な可能性をあれこれ考えられると都合が悪いから こっちの思考を縛ろうとした」と。
要するに、「あいつがヒソカだった」っていうのが、ヒリンギとザクロに思いこませたかった『限定ワード』だったんです。
相手が“考えうる『答え』を縛る”のです。いわゆる『思考停止にさせる』のです。
この後の、考察は「え…その場にいたの??」と思うくらい、ヒリンギがスムーズに淀みなく『答え』に近い仮説を立てる。
そして、改めて…マフィアを舐めたらどうなるか!?を知らしめる。
とはいえ、確実に旅団が生き残ると思います。がしかし!ヒリンギ兄さんのチームは善戦してくれると思います。なんでしたら、ノブナガが旅団の抜け番に誘うかもしれません。こんな妄想も楽しいですよね。
たとえ!それが幻影旅団のカリスマ変態サラサラヘアーだったとしても!!(何度も言いますが、私がヒソカやクロロに使う“変態”とは、『素晴らしい』『素敵』『目ざましい』『ワンダフル』『驚異的』『見事』『最高』『ファンタスティック』という意味です)ヒリンギ兄さんのチームはやってくれますよ。
ちなみに、冨樫は『目』でまた語らせましたね。私の好きなところです。
目で語っている時の『語彙』のセンスと、目だけで分かる『感情』を的確に表現し、何よりも『覚悟』をも暗に語らせる…最高ですね。
そんな、カリスマ変態サラサラヘアーは…詰将棋の如く、黙々とやるべきことをやる
いやーーー!『ハンタ文字』って10年くらい前に出ていませんてしたっけ?私は解読するのは…無理ッス!!世のハンタ強者がこれを解読するのを待たせていただきます。
とは言え、ざっくりと『人探し』に特化した能力で、疑似的な携帯電話での位置情報を使い、使用者に教えてくれるようですね。
もちろん探しているのは変態紳士ヒソカでしょうよ。
はたして冨樫は“また”、2人の変態紳士の闘いを素直に描いていただけるのでしょうか。私め、不安で仕方ありません。
暗黒大陸5大厄災のノリで描く、カキンの至宝『三種の神器』!!
もちろんこの3つが揃って、王位継承戦が滞りなく行われる代物でしょうけど…コレを盗んだらアナタ、ツェリードニヒの守護霊獣に3回傷を付けられるか、刹那の10秒で瞬殺されると思いますよ。
とは言え、私の予想では…王位継承戦での勝利者、いわゆる次期国王は第14王子である『ワブル』だと考えています。もちろん、希望的観測ですがね。
毎回そうだと思うのですが、王位継承戦では『人間の業』が色濃く出ていて…救いようのない話ばかりの中、希望の光としてワブル王子を立てるのかと勝手に思っています。
カキン帝国現国王である、ナスビー=ホイコーロを見てください。
今では、国王たる立ち居振る舞いをちゃんとできる人ですが、最初の登場時は「ホイホイ」と言ってる欲望強めのただの気のいいオジサンでしたよね。
要するに、前回の王位継承戦では第〇王子か分かりませんが「まさか!あんなヘラヘラしたナスビー=ホイコーロが勝つなんて…」という感じだったのを想像してしまうのです。
だからこそ!私め、ワブルを推しています。
そしてもう一つの理由!それが、『クラピカ教の教祖になる』為です。
クラピカはノストラードファミリーからワブルの私設兵兼、最高顧問に就任(取り入り、鞍替えする)し、事実上カキン王国を動かし世界の暗躍機関のボスになり、早々に絶命する(エンペラータイムの制約と誓約)しますが、VRクラピカとして“生きている”と民衆に思わせながら、中の人には『クラピカ教』の布教に力を入れさせる。命が短いクラピカを、如何にしてこの世に影響力を残し続けるのか。もうこれしかありません。…ごめんなさい。もうね、毎週読み解くの大変なんですよ。
最後に
カリスマ変態サラサラヘアー紳士・クロロについては…もう訳が分かりません。もう一度、読み込んでみます。
ちなみに、ヒリンギ兄さん。リンチの死体をずっと持って歩くの…色々と優しいですよね。このチーム、好きです。
今日も、ウチに遊びに来てくれてありがとうございます。
ではまた。